史上2クラブ目の3連覇を狙うサッカーJ1のヴィッセル神戸が、まさかの大ピンチに陥っていた。
3月29日に行われた第7節の鹿島アントラーズ戦に0-1で敗れ、暫定順位ながら18位のJ2降格圏に転落。試合数が他クラブよりも1試合少ないとはいえ、ここまでわずか1勝しかしていない。
特に深刻なのは、6試合で5得点の攻撃陣だ。元日本代表のエース・FW大迫勇也を筆頭に、昨シーズンMVPのFW武藤嘉紀、海外移籍が噂されたFW宮代大聖が残留し、今季も大暴れすると思われていた。
ところがフタを開けてみれば、大迫が2ゴールをマークして健闘しているものの、武藤と宮代はノーゴール。チームはゴール欠乏症に泣いている。
絶不調の原因として、開幕からJリーグとアジアのクラブ頂点を狙うACLEの試合が組まれていることが挙げられ、すでに11試合を消化している。ACLEのラウンド16では光州と対戦。第1戦を2-0で勝利したものの、第2戦で0-3と大敗した。神戸にとってアジアのタイトル獲得が最大の目標だっただけに、選手のメンタルがズタボロになる事態に陥った。
さらに超過密スケジュールによって、チームのウリである堅守速攻が影を潜めると、元日本代表DF酒井高徳ら主力選手のケガが相次ぎ、野戦病院と化していた。
とはいえ、今季の試合数を考えれば、2チーム分が必要と言われていたが、タレント軍団ゆえの「弱点」が早くも露呈する形になってしまった。
「即戦力の補強のため、神戸フロントは積極的に動いていました。しかし大迫と武藤、宮代の三本柱に加えて、前線はFW佐々木大樹も台頭。レギュラーポジションを奪うのがかなり厳しいことはわかりきっているめ、オファーに難色を示す選手がほとんどです。結局、打てど響かずで目玉移籍のないまま、新シーズンを迎えてしまったのです」(サッカーライター)
3月5日には、町田ゼルビアで出場機会がなかったFWエリキを緊急補強。応急処置を行ったとはいえ、今のところ復活の兆しはない。このままでは、まさかのJ2降格が現実味を帯びてくる…。
(風吹啓太)