6月1日、元AKB48の渡辺麻友が芸能界からの引退を発表した。「清純派アイドル」としてノースキャンダルを貫いたことを賛辞する記事が乱立する中で、「アイドルが恋愛して何が悪い」と、違和感を覚える疑問の声が噴出している。
元AKB48の渡辺麻友は、12歳でAKB48に加入し、前田敦子や大島優子らとともに元祖「神7」の1人として人気を博し、2014年に開催された第6回AK48グループ選抜総選挙ではみごと1位に輝いた。2017年にアイドルを卒業してからは女優として「サヨナラ、えなりくん」(テレビ朝日系)やNHK朝ドラ「なつぞら」などに出演していたが、今年初頭から体調不良が囁かれ、6月1日に「健康上の理由」で所属するプロダクション尾木から芸能界からの電撃引退が発表された。
「渡辺麻友の芸能界引退を巡る記事は、ワイドショーをはじめ、あらゆるネットニュースなどで大きく報道されています。記事では“清純派アイドルだった”“高いプロ意識で11年間ノースキャンダルだった”“男性のタイプを聞かれてもかわしていた”などという、アイドル時代、女優時代に“恋愛スキャンダル”がなかったことが褒め称えられています。しかし“浮いた話がなかった”ことばかりを評価する報道に対して、SNSなどでは『アイドル時代に恋愛しなかったということがそんなにスゴイこと?』『まゆゆの芸能人としての功績は、ノースキャンダルだけではない』『恋愛禁止というルールそのものが人権侵害。体調不良で引退する女優に対して、“マジメだった”“清純派だった”と繰り返し報道する神経を疑う』などと、恋愛面ばかりを取り上げる報道の姿勢に対して批判の声が集まりました」(エンタメ誌ライター)
ちなみに、渡辺の引退が発表された6月1日の深夜には、新潟在住の3人組アイドルグループ「Negicco」のメンバー・Meguが、ミュージシャンとの結婚を報告している。
「Negiccoからの結婚発表は昨年結婚発表したNao☆に続いて2人目。ファンからは『本当におめでとう!』と祝福の声が飛び交い『現役アイドルが結婚を発表して、ファンが祝福する雰囲気は素敵。年頃の女性に恋愛禁止を強制して、何かあるとクビにするよりはよほど健全』『Negiccoのように、既婚者でもアイドルを続けられる世の中に変わっていくといいな』『TOKIOや嵐も、既婚でもアイドルを続けている。女性アイドルもそうなるべき』と、様々な意見が寄せられました」(前出・エンタメ誌ライター)
多様性を重視する時代、女性アイドルに男性と未経験であることをよしとするような価値観は、もう古いはず。渡辺麻友がいなくなった世界で、今後アイドル界はどのように変化していくのだろうか。
(金宮炭子)