いったいなぜ、日本はこんなバカ騒ぎで浮かれるようになったのか。
東京・渋谷でのハロウィン大混雑の様子がニュースやワイドショーなどで連日放送されたが、ヒドイのなんの。
韓国での死者が出る大惨事を受けて、群衆事故には慎重になっていたというが、それでもあの有様である。
「そもそもハロウィンとは、キリスト教の聖人に祈りを捧げる祝日の前夜祭を意味します。同時に作物の収穫を祝い、先祖の霊を迎えて悪霊を払うものでもある」
と解説するのは、海外文化に詳しいライターである。続けて、
「仮装をするのは、悪霊から身を守るため仲間に見せかける、という理由があります。それを日本の若者は勘違いして、ただの仮装パーティーか何かだと思っていますね」
クリスマスもそうだが、そもそも仏教が広く根付いている日本で、日本人は都合のいいお祭りだけは、その背景や意味などおかまいなしに勝手に解釈して、娯楽や商売に利用しようとする。
渋谷では仮装をした若者の大群が、身動きできないほど集まり、
「禁止されているにもかかわらず、泥酔して路上で横になる連中がいました。ささいなことからケンカになり、殴られたという者も。自業自得でしょうが」(社会部記者)
本来の意味などどうでもいい、バカ騒ぎしたいだけの若者たちの痴態が、テレビ画面に延々と映し出される。
「韓国の事故もあって怖いと思ったので、なるべく混みあったところにはいないようにしようと…」
渋谷のスクランブル交差点でニヤけながらマスコミにそう答える人物は、自らの矛盾した行動に気付く様子もない。
事故を防ぐため、大群衆を誘導、注意を呼び掛ける警察官が大量動員された。ハロウィンと関係ない事件が何か起こっても、割かれる人員は減っている。
コトここに至って、日本ではもはや「ハロウィン=仮装集団の迷惑行為」と化している。