藤原容疑者が、「行動」を起こしたのは昨年8月。
自宅の裏にある空き地に離れを建てるため、県内の建築会社に依頼。そこで冒頭の証言をした建築関係者が、事前調査をすることになった。建築関係者が語る。
「調査のため、5回ほど藤原容疑者の自宅を訪れました。1階のリビングは住宅展示場のようにシンプルな作りで、ほとんど家財道具がないのですが、なぜかヌンチャクが置いてあった。180センチほどの長身で体格がガッシリしていたので、ヌンチャクを使って鍛えていたのかもしれません。ソファに座る時には、戦国武将のように股を開いてどっしりと座るので威圧感があった。でも、しゃべり方はソフトで表情も柔らかい。最初に打ち合わせで会った時には、『施設に入っている母親が夜中に奇声を上げるため、近所迷惑になるので母親用の部屋が欲しい』と説明されました」
ちなみに、近隣住民に母親の奇声を聞いた者は誰一人いなかった。
建築会社の調査の結果、敷地は市街化調整区域に当たるため、建築できないことが判明。それを伝えると、藤原容疑者は表情をこわばらせたという。
「『自宅でイラストレーターの仕事をしていて、騒音が気になるので作ってほしい』と、強い口調で言ってきた。1カ月もしないうちに建てる理由が変わり、おかしいなと思いました」(建築関係者)
不可思議な出来事はこれだけではなかった。
「2階の部屋を見せてもらった時、6畳の部屋が二間あるのですが、正面から見て左の部屋は家財道具が一切なく、壁や床が黒い布で覆われていた。不気味な雰囲気に思わず後ずさりしましたよ。でも、続いて隣の部屋を見たら、今度は天井、壁、床に美少女のポスターが10枚以上貼ってあった。イラストは目が大きくて、小学生の少女っぽい感じ。制服を着ていて、水着や裸はなかったです。その部屋にはノートパソコンが1台だけ置かれていた。なぜこんな部屋なのか、怖くて聞けませんでしたね」(建築関係者)
謎の「暗幕密室」について、捜査関係者もこう話すのみだ。
「監禁に利用しようとしていたのか。それとも、女児を『監禁する必要がなくなった』時のことを夢想して、外部からは人目につかない部屋で欲望を満たすことを計画していたのか。そのあたりの意図は、今のところわかっていません」
前述した離れの建築が難しくなった藤原容疑者は、予定を変更。昨年秋頃から自宅1階のリフォームに着手する。
「藤原はかなり以前から自分の好みのタイプの女児を物色していたようです。そして、リフォームに着手する直前に被害女児を見かけて、急ピッチで監禁部屋を作った可能性も指摘されています」(社会部記者)
昨年12月、約800万円を投入した「監禁部屋」は、台所を改装して、壁を外側に約1.5メートル押し出した8畳の洋室。ピアノの音を遮断できるほどの完全防音で、女児が大声で叫んでも外に漏れることのない完璧な作りだった。2階の“アニメ部屋”と同様に、部屋中を美少女ポスターで埋め尽くして完成した。
逮捕後、藤原容疑者は警察の取り調べにこう供述している。
「(女児を)自分の好みどおりに育て、結婚するつもりだった」
自分の夢の話をするばかりで反省の言葉は一切ないという。藤原容疑者の異常な“幼女趣味”に巻き込まれた女児の深い心の傷が1日も早く癒えることを祈るばかりである。