3月30日に行われるGⅠ・高松宮記念(中京・芝1200メートル)の中心となるのは昨年の1・2着馬マッドクール(牡6)とナムラクレア(牝6)だが、どちらを軸馬にするかはズバリ、当日の「馬場状態」による。
良馬場ならナムラクレアの鋭い末脚が炸裂する。前走のGⅡ・阪神カップ(阪神・芝1400メートル)に続き、今回も鞍上に名手ルメールを配しての臨戦。悲願のGⅠ初制覇を狙う陣営の勝負度合いは高く、今度こそキッチリと決めてくれるはずだ。
一方、稍重以下ならマッドクールが浮上してくる。昨年の同レースを含め、重馬場では「2戦負けなし」の道悪巧者。中京コース向きの先行力は申し分なく、キンシャサノキセキ以来、史上2頭目となる連覇を決めてくれるだろう。
この両馬を軸に、馬連の相手には以下の4頭を「厳選馬」として抜擢したい。
1頭目は前走の海外GⅠ・香港スプリント(シャティン・芝1200メートル)で3着に食い込んだサトノレーヴ(牡6)。香港スプリント界の強豪カーインライジングと0秒1差の実績はダテではなく、今回も名手モレイラを背に激走の予感が漂う。
2頭目は昨年のスプリンターズS(中山・芝1200メートル)で2着に好走したトウシンマカオ(牡6)だ。今回と同じ中京・芝1200メートルで行われた昨年のGⅡ・セントウルSを制しており、実力とコース適性から侮れない1頭だ。
3頭目は一昨年のスプリンターズSを制したママコチャ(牝6)。同馬は昨年のセントウルSとスプリンターズSでも、それぞれ2着、4着と上位入線を果たしている。
4頭目は昨年のスプリンターズSを勝ったルガル(牡5)。GⅠ初挑戦となった昨年の高松宮記念もソコソコの内容で、成長著しい今なら大きな前進が見込める。
そこで結論。良馬場ならナムラクレアからマッドクール、サトノレーヴ、トウシンマカオ、ママコチャ、ルガルへの馬連5点、稍重以下ならマッドクールからナムラクレア、サトノレーヴ、トウシンマカオ、ママコチャ、ルガルへの馬連5点を勝負馬券としたい。
ただし、稍重以下の場合は、良馬場での軸に指名したナムラクレアと同じく、トウシンマカオとママコチャについても、評価を下げる必要があるだろう。
(日高次郎/競馬アナリスト)