もはや底なしの様相を呈している中国製食品の「猛毒実態」。食品工場以外の日本向け食品の生産現場に目を移しても、オエーッとなりそうなケースは数え切れないほどだ。例えば、これからシーズン本番のウナギ。
中国ウナギはひと頃と比べれば日本の消費者の関心が高くなったせいか、安全、安心になったと言われる。しかし、中国での豊富な取材経験があるカメラマンの八木澤高明氏が言う。
「中国当局がその存在をひた隠す、ガンによる死者が異常に多い浙江省の通称『ガン村』に潜入取材を試みた時のことです。この村はガンの多発と無関係ではないと思しき薬品工場があり、毒を象徴するような真っ赤な池が印象的でしたが、なんとその池と隣接してウナギを養殖する池があった。真っ赤な池は囲いをしておらず、有毒な水は地中に染み出して隣の養殖池に入っているのは明らか。でも、日本に出荷されるウナギの健康被害について心配する人は皆無でした。売ってしまったら勝ちなんですね」
山東省では真っ黒なヘドロがたまっている用水路が目についたという。
「ところが、その傍らにニンニク畑がある。畑にはもちろん、ヘドロがたまっている用水路の水を引き、栽培していました」(八木澤氏)
青森のニンニクは1個が200円くらいだが、中国ニンニクは1ネットが200円。安いからといって食べていていいのか心配になってくる。
また、日本でもおなじみの甘栗。その原料となる栗の生産で知られているのが河北省だ。
「河北省は鉄鋼で知られていますが、ヒ素による汚染でも有名。現地取材では、ヒ素をたっぷり含んだ鉱山の排水を栗にやっている。この光景を見て以来、甘栗を見たくなくなりました」(八木澤氏)
人間の体は自分の食べたものでできていると言われる。中国人は口に入るものが健康被害を引き起こすことに何も思わないのだろうか。富坂氏が言う。
「中国の食品問題の背後には国民の大多数を占める貧困問題があると思いますね。結局、薄利多売で売るのが先決で、食の安全なんて考えていられるかっていう発想なんですよ」
とはいえ、中国製食品抜きでは日本人の食生活が成り立たないことも事実。少なくとも、食品衛生法違反に抵触し、厚労省にリストアップされるような中国食品は避け、冷凍食品、具体的な産地が明記されていない食品も買わないほうが賢明だろう。食べる人のことなど考えぬヤカラの手によって生産された中国食品が原因で命を落とす──。そんな悲劇だけは避けたいものだ。