オダギリジョー、綾野剛、水嶋ヒロ、佐藤健、福士蒼汰など、数多くのイケメン俳優を生み出してきた平成「仮面ライダー」シリーズ。1971年から続く往年の少年ヒーローものを新たな形に蘇らせたと、世間で絶賛されたこともまだまだ記憶に新しい。等身大のヒーロー、怪人との戦い、そして「変身」というワクワクする合言葉は、平成の子供たちにも絶大に受けたわけだが、さらに昭和時代とは違う上記の若手イケメン役者の抜擢で、子供たちの母親の視線まで集めたのが大成功を後押ししたことは間違いないのだ。
ところがここ数年、仮面ライダーの人気にあきらかにかげりが見えてきたという。
「ネタ切れもあるのでしょうが、ライダーのキャラクターの複雑化に子供たちが乗り切れないという声も聞きます。それ以上に言われているのは、本来は子供のヒーローであるはずの仮面ライダーが、いまや完全にイケメン好きの母親たちにシフトしすぎているということです」(テレビ誌記者)
10月4日スタートの「仮面ライダーゴースト」にも、オスカープロモーション所属でジュノンボーイである“イケメン17歳”の西銘駿が抜てきされることが発表されたばかり。
「綾野剛、佐藤健、福士蒼汰ら、売れっ子イケメン路線に乗せようと、芸能事務所が必死なんでしょうね。ところがこの2、3年のライダー役者はたいしてブレイクしていない。要はやり過ぎなんですよ。しょせんは子供たちが憧れてナンボです。それを無視して“見た目”だけの新人をあてがって、『ママさん、今度のイケメンはどうですか?』と押し付けられても、もしタイプに合わなければママたちは翌週から観ませんからね。一部では『芸能界のホスト養成所』と失笑されてますよ」(週刊誌記者)
人気急落を象徴する決定打として、8月8日に夏休み映画として満を持して公開された「劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」の大コケがある。数年前は映画版も興行ランキングの首位争いが当たり前のドル箱だったが、この新作は初週によもやの6位の低空発進、翌週にはベスト10圏外まで去ってしまった。さらに新ライダーの茶髪17歳には早くも「チャラすぎる」「ジュノンライダーはもうやめろ!」「芸人のほうがマシ」「石森章太郎先生が泣いている」など罵声の嵐だ。
子供たちに見離され、ママたちも関心がなくなった「仮面ライダー」。ついに伝説の終焉が迫っているのだろうか‥‥。
(村岡タクミ)