野球ファンが球場で撮影した写真や動画をSNS等に投稿することは、本当に「悪」なのだろうか。
プロ野球を統括するNPB(日本野球機構)では今シーズンから「写真・動画の撮影及び配信に関する規程」を定め、ファンが撮影した動画などを投稿する行為を制限している。
ところがこれに意義を唱えたのが、日本ハムだった。NPBが定めた規程の第3条第4項第1号に記載されている「主催者が承認した場合」に則って、ファンが撮影した写真や動画をSNS等に投稿することを許容したのだ。
ところが3月31日、プロ野球暴力団等排除対策協議会・一般社団法人日本野球機構事務局長から「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」の運用について改善勧告を受けたと発表。今後については「引き続き、NPBならびに関係各所と規程の在り方について協議したい」としている。
この改善勧告には怒り心頭なのはもちろん、日本ハムのファンたちだ。XにはNPBに対する恨み節、日本ハムを支持する意見が乱れ飛んでいる
〈NPBは一体なにがしたいんだ。球団の定めたルール内なら問題ないだろ〉
〈謝罪しない日本ハムの姿勢に好感。堂々としていればいい〉
〈最終判断は主催者に委ねるって書いてあるのに、意義を唱えるとかシンプルに意味不明〉
日本ハムの主催試合では、ライブ以外はインプレーも投稿が許可されているため、ファンは昨年までと変わらず撮影を楽しんでいた。日本ハムは「プロ野球の普及発展」「球場観戦の価値向上」を掲げており、まさかの注意勧告には唖然とするほかないのである。
この規制によって、神宮球場では球場グルメの投稿すらNGとなってしまい、開幕3日間の試合中に写真や映像を投稿するファンが激減。売り上げ減少を恐れた関係者が慌てて試合前に、メニューの写真を投稿する始末だ。
日本ハムの新庄剛志監督は、日頃から「ファンあってのプロ野球」「お客さんじゃない、ファンと呼ぼう」とファン尊重を打ち出している。その思いは他球団の関係者も一緒だろう。このままNPBが理不尽なルールを強いるのであれば、いずれファンからソッポを向かれてしまうのではないか。
(ケン高田)