Jリーグ3連覇を目指す王者ヴィッセル神戸と、戦力を大幅に補強した浦和レッズがともに開幕ダッシュに失敗し、サポーターを驚かせた。その原因は何か、元日本代表の戸田和幸氏が、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで明らかにしている。
「戸田和幸のサッカーニュース春2025」のタイトルで公開された動画でJリーグ開幕に触れると、J2降格圏内に沈むヴィッセル神戸の問題点を語った。
「ケガ人が多い。(移籍して)いなくなった選手もいますし。初瀬亮や菊池流帆がいなくなった。山口蛍がいなくなったのも大きい。彼は本当に効いていたと思う」
最大の問題は、メンバーが揃わないことだと指摘。今後どうすべきかは、
「健康な選手。体がしっかりしている選手を選ばなきゃいけない」
さらに戦い方を変える必要があるとして、
「スタイルとしては堅実で、カウンターが速い。基本的にはシンプルな枠組みの中でできる選手がいたが、ケガ人も含めて揃いきらない。動力部分がど真ん中だとすると、ここの山口蛍がいなくなった時に変わる部分はありそうな気がします」
なかなか上へと抜け出せない浦和レッズの問題点も、ズバリ指摘した。
「マテウス・サヴィオを獲りましたし、他からバリバリの主役を獲ってますから。人はいる。これを個人じゃない形でプレーできるところまでもっていけるか」
個ではなくチームとして戦えるようにしないと、上位にはいけないのだと。そして選手獲得に関しても、
「まず浦和としてどんなスタイルを望んでいるか、目指しているか。それがJ1の中で勝ち点を取って結果を出すという時に、スタイルとしてふさわしいものなのか」
チームコンセプトに沿って選手を獲るべきだと、苦言を呈したのである。これには鈴木氏も同意して、
「昨年、フィニッシュのところまでうまく作り込めなかったから、前の選手たちを(獲った)。でも2列目といわれるポジションは2チーム、3チームできるような選手層。これはどんな狙いがあるのか、堀之内聖(スポーツダイレクター)さんに聞いてみたい。層は厚いですけど、噛み合ってないなというのはありますね。やろうとしていることと、選手のマッチングをどう考えているのか」
浦和OBだけにはっきりとは言わないが、問題はフロントにあると、鈴木氏は考えているようだ。
(鈴木誠)