親小沢VS反小沢─。何度も見せられた光景の末に、この国の62人目の内閣総理大臣が誕生する。今の日本には、景気回復、財政再建、そして外交問題と多くの難題が山積している。異色のノンフィクション作家が〝新総理〟に激辛警告を発した!
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「この5年で5人の総理が誕生しましたが、誰一人として本格的な政策を実行した人はいない。彼らが行ったのは、現状維持と日本が抱える諸問題の先送りだけ。私は新総理には大胆な変革を求めたいです」
こう話すのは、ベンジャミン・フルフォード氏。米経済誌「フォーブス」元アジア太平洋局長として日本経済、さらには独自の視点からアメリカの暗部を描いた著書を持つノンフィクション作家として知られる。それだけに、新総理への要望も実に壮大なものだ。その話を聞こう。
「まずは財政再建を果たす必要がある。国の借金が数年前に調べた段階で地方債や政府保証ローンを入れるとすでに1200兆円を超えていた。この借金は、まだ日本国が日本人から借りているという状況にある。絆創膏をゆっくり剥がすと痛みは増すが、一気に剥がせば、痛みは少ない。新しい総理が粉飾決算をやめて、デノミを含めて金融システムの再起動策を準備して実施するべきだ。まずは、緊縮財政や増税など、視野の狭い官僚的な発想を捨てることが財政再建問題の抜本的な解決につながるはずです」
劇薬的な療法で日本を立ち直らせたあと、日本が目指すべき姿とはいかなるものなのか。ベンジャミン氏は「アメリカに物言う国家」を目指せと続ける。
「日本は世界で一番の債権国です。私が数年前に試算した結果、民間も合わせると8兆ドルはある。その最大の借り手はアメリカです。日本の権力者は戦後の条件反射で在日CIAの言いなりになっているが、本来ならアメリカにもっと物言うことができる。日本の影響力によって、アメリカが抱える構造的問題である軍産複合体を解体させることも可能です。さらに、アメリカの財政は悪化の一途をたどる。その前に日本は積極的に動き、すでに世界中に出回っているドルを『国際ドル』として、新たな国際通貨を日本が中心となって作るべきです」
しかし、現在の民主党政権はマニフェストすら守れていない。そんな大胆な政策を実行する能力があるのか。
ベンジャミン氏もその点に関しては、こう話す。
「正直、新総理の政権も短命に終わると思います。ですから、大胆な変革を求めるのは酷かもしれません。とはいえ、経済閣僚に財界から優秀な人材を抜擢するぐらいのことはしてほしいですね。せめて、赤字ではなく、黒字経営が何たるかを知っている経営者を入閣させるぐらいならできるでしょう」
多くの難題を前に、新総理の力量が問われる現代、とにかく期待ハズレというのだけは勘弁してほしい。
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