テリー 心も体も休まらないって話が出てたけど、もしかして総選挙も負担になったりした?
高橋 そうですね(笑)。
テリー だよなぁ、見てるほうは楽しいけど。
高橋 今だから言えますけど、正直イヤな時もありました(苦笑)。私たちの意識としては別に他の子と本気で争ってるわけではないんですけど、周りと比べられて順位がついてしまう。しかも、その結果は1年間ずっとついて回るので、それは苦痛でした。
テリー まあ、精神的には相当、鍛えられそうだけどね。でも、それを乗り越えたってことは、ちゃんとAKBの経験が財産になってるってことだよな。
高橋 そうですね。苦しいことも含めて振り返れることがあるというのは、やっぱり経験することができてよかったんだと思います。
テリー それこそ、たかみなは1期生としてAKBの立ち上げからいて、劇場に客が7人しかいない時代も知ってるわけじゃない。
高橋 スタートの時はずっと、ステージのメンバーよりお客さんが少なかったんです(笑)。
テリー だけど、今新しく入ってくるのは、ドームクラスでも超満員が当たり前の、華やかなAKBしか知らない子たちだよね。そのあたりの意識は、たかみなたちとは違うの?
高橋 違いますね。そもそも、私たちはAKBになりたくて入ったわけではないんです。私は歌手になりたい、前田は女優になりたい‥‥みんなやりたいことはバラバラだけど、落ちこぼれだからグループになった、みたいな感じでした。
テリー でも、今入ってくる子は、夢のゴールがAKBになっちゃってるよね。
高橋 そうなんです。でも、ずっとAKBにいられるわけではないので、歌やバラエティとか、いろんなチャンスをいただいている間に次の夢を見つけることができたらいいと思います。
テリー そういうアドバイスは、ちゃんと新人に言ってあげるの?
高橋 言えることは言いますよ。例えば、挨拶できない子が多いんです。
テリー 何だとッ!? それダメだろう!
高橋 アハハハハ! 無視するわけじゃないんですけど、先輩の前だと萎縮しちゃうというか、距離感が測れないみたいなんです。だから「挨拶は、大きい声のほうが喜ばれるよ」みたいなことは言ったりして。
テリー 基本中の基本の話だね(笑)。まあ、向こうから見れば、たかみなは神様みたいなものだもんな。ビビっちゃう気持ちもわかるけど。
高橋 神様というより、怖い人だと思ってる子も多くて(笑)。だから大島と「上から目線で教えるんじゃなくて、自分たちが一回同じ目線になろう」って話したこともあるんです。若い世代がどんどん増えて人数的にも圧倒的に多くなったから、「うちらが若い子に合わせたほうがいいね」って。
テリー えらいなぁ。
高橋 「おはよう」ってこっちから挨拶したり、「今日は髪かわいいね」とか声をかけてあげると、こちらを近しい存在に思ってくれるみたいです。
テリー さすがリーダー。ホント、そういう細かな気配りがAKBを影から支えていたんだよな。あらためて、たかみなの卒業はAKBにとって大きな損失だと思えてきたよ。