テリー もともと芸能界には興味があったのかな。
岸 はい。学校の三者面談で、先生に「芸能界で食べていきます」と言って怒られちゃったぐらいで、ずっとこの世界に入りたいと思っていました。
テリー それはどうして?
岸 さっきも言ったとおり、私は胸が大きいのがコンプレックスだったんです。でもグラビア誌を見て「こんなふうに写してもらえるなら、この胸でもうれしく思えるのかな」と考えるようになったんです。
テリー その頃、憧れていた人はいた?
岸 磯山さやかさん。今でも大好きです。
テリー じゃあ、グラビアでビキニを着るのも抵抗なかったんだね。
岸 はい。むしろ、それがやりたいことでしたから。
テリー 憧れの芸能界、実際入ってみてどうだった?
岸 やっぱり最初はお金がなくて大変でしたね。上京する前にいちおう100万円ぐらいためたんですけど、引越し代や必要なものを買ったら、ほとんどなくなっちゃって。
テリー あ、いいところに住んじゃったんだろう。
岸 都内で7万円の家賃だったので、そんなこともないと思うんですけど。
テリー じゃあ普通か。大学生が住むワンルームぐらいだもんな。
岸 そうなんです。本当にカーテンや絨毯を買うお金もなくて、代わりに家電製品が入っていた段ボールを窓に貼ったり、床に敷いたりしていました。
テリー そんな生活だと、心細いよね。
岸 はい。私、お酒が大好きなんですけど、当時はマネージャーさんに「飲んじゃダメ」って言われて禁酒をしていたせいもあって、寂しいし、心細いしで耐えられなくて、毎日泣いていました。
テリー 何でお酒がダメなの?
岸 わかりませんけど、けっこう厳しく「外でも家でも、お酒はダメ」って言われていたので、「飲んだらクビなんだ」って思い込んで、守ってました(笑)。
テリー じゃあ、もしかして「サンジャポ」に出てくれた頃は、そのつらい時期だったんだ。
岸 そうなんです。でも、まさに「サンジャポ」に出させていただいたことが転機になって、いろいろとお仕事をいただけるようになったんです。
テリー そうか。でも、これだけ売れたら、その段ボール屋敷は出られたんでしょう? 今度はいくらのところに行ったの?
岸 え~っ、恥ずかしいですよ(笑)。
テリー 何言ってるんだよ。段ボール屋敷の話のほうが、よっぽど恥ずかしいだろうが(笑)。
岸 まあ、お金の件はともかく(笑)、前の部屋はベランダがなかったのがすごくつらかったんです。だから、次に引っ越すなら絶対に広いベランダがあるところにしようと思っていました。
テリー 確かに、洗濯物も干せないからな。広いって、バーベキューもできるくらいの感じ?
岸 いえ、頑張ればお茶ぐらいは飲める感じくらいの広さですけど(笑)、お風呂上がりによくベランダに出て、ボーっとしている時が気持ちよくて。あと、犬も飼い始めたので、本当に癒やされています。