4月スタートの連続ドラマ「あなたのことはそれほど」(TBS系)の最終回が6月20日に放送される。不毛地帯と言われたTBS火曜夜10時のドラマ枠だが、何と今期は視聴率ランキング5位をキープ。9話までの平均視聴率は10.8%と2桁に乗り、6月6日には13.5%の最高視聴率を獲得したのだ。
「一つは東出昌大のおかげでしょう。棒演技の大根役者と言われた東出がまさかの怪演を見せ、ネットは大いに盛り上がった。そして東出の熱演以上に絶賛されたのが主演の波瑠。夫の東出を裏切り、初恋の相手と“ドロドロのゲス不貞”。罪悪感のかけらもなく不貞を謳歌する悪女ぶりは、朝ドラ出身のイメージを粉砕する衝撃度でした。濡れ場にも挑戦、一皮むけた。もっとも根が真面目な波瑠は主人公にまったく共感できず、ストレスフルな日々を送りながらの収録で大変だったようです」(テレビ誌記者)
あまりのリアルさに波瑠へのバッシングも起きた。波瑠は自身のブログで役に対する割り切れない思いを吐露してきた。ドラマスタート時は「救いようのない主人公を見て困惑」したが「演じる役の言動が正しくないとわかっていても、どんなに愚かでも、心中するような気持ちでどこまでも寄り添っていくことしかできない」と諦めた。
5月になると、「しょうもないとか馬鹿とか最低とか言われても、観て感想を抱いてもらうっていうことで私は報われるような気持ち」になることを明かし、「苦しくてもがいた時間の中から、自分が何を見つけられるかが大事」として、「頭の中お花畑にして突っ走ります」と決意を綴っている。6月19日の最終回前日、ブログを更新。収録を終えた達成感からか、「この物語の結末にムカムカしたとか、笑えたとか、どう受け取ってもらってもそれはお任せします。楽しんでいただけますように」と書き記している。
「収録期間中、波瑠はハリネズミカフェで癒やされ、撮影とはいえ念願の陶芸にも挑戦できた。収録後は気分転換のため髪をカット。ゲスなイメージをさっさと一掃したかったんでしょう。ファンのコメントは『お疲れさま』と慰労するなど同情するものばかりで、共感できないヒロインを割り切って演じた波瑠の支えになったはず」(芸能ライター)
特別検視官役を、3年ぶりに演じるドラマスペシャル「BORDER2 贖罪」(テレビ朝日系)の出演が決定した波瑠。今度の役はノリノリなはずだ。
(塩勢知央)