最長寿バラエティ番組として、今も高視聴率を誇る「笑点」(日本テレビ系)の司会を長らく務めた桂歌丸。病気のため6月2日から入院していたが、14日に退院、17日「笑点」の前番組「もう笑点」の収録に参加し、笑点メンバーと囲み取材に応じている際に、人気ピン芸人・アキラ100%の「お盆芸」に苦言を呈したことが物議を醸している。
歌丸はまず、「日本語っていうのは日本の文化。その文化を一番使っているのが、我々噺家だと思いますよ。それも笑いに持っていっている」として、「失礼ですけど、日本語を使わないで笑いを取っている芸能人の方が大勢いるじゃないですか」と指摘。さらに、「これも言っちゃ失礼ですけど」と前置きして、服を着ない姿で「お盆持って出て」くることを「何が芸なんですか」とバッサリ斬ったのだ。
「名指しこそしませんでしたが、アキラ100%を始め、今人気の“服を着ない芸”を批判していたことは明らかですよ」(番組関係者)
しかし、歌丸の主張に疑問を投げかける声もある。
「日本の言葉を使って笑いを獲るのが芸人というなら、『笑点』人気コーナーの“大喜利”だってアドリブに見せかけてますが、すべて放送作家がコメントを用意してるのは有名な話。それが嫌で、立川談志が番組を降りたと言う逸話もあるほどです。“日本語は日本の文化”と言うなら、大喜利ぐらいカンペに頼らず臨機応変に答えて欲しいものですね」(放送作家)
確かに落語家は、お笑い芸人に比べアドリブに弱い印象がある。ならば「笑点」等には出演せず、落語に専念した方がいいという考え方もあるが、そうもいかない裏事情があるという。
「『笑点』は高視聴率な割には、出演者のギャラはそれほど高くありません。ところがあの番組に出ているおかげで地方営業のギャラが5倍から10倍になると言われています。そのため番組の舞台裏では、大喜利の6つの席を巡って派閥争いさえ起きているんですよ」(前出・番組関係者)
お盆で笑いを取る芸人に苦言を呈したくなる気持ちもわかるが、「笑点」頼みの落語界の体質を、そろそろ改める時期に来ているのではないか。