内閣総理大臣

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歴代総理の胆力「宮澤喜一」(2)擬せられる15代将軍徳川慶喜

その宮澤が総理に座ったのは、じつに72歳になってであった。中曽根康弘の「裁定」で選ばれた竹下登政権がリクルート事件で躓き、しかし影響力温存を窺う竹下は自分のあとの政権に、宇野宗佑、海部俊樹を担いだ。その海部政権後を巡って、竹下派に主導権争い…

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歴代総理の胆力「宮澤喜一」(1)福田赳夫と双璧の秀才

東大法学部卒の“巣窟”にして、並み居る省庁の中でも「エリート中のエリート官庁」とされているのが財務省(旧・大蔵省)だが、「省史」を紐解いてみると、その中でも、さらに飛び抜けての秀才が、二人浮上してくる。ともにのちに総理となる福田赳夫と、この…

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歴代総理の胆力「海部俊樹」(2)ぶれる「軸足」、大きな「振幅」

政権を降りたあとの海部の政治行動の「振幅」は、それにしてもあまりに大きかった。例えば、海部が政権を降りたあと、自民党は、社会、新党さきがけの両党を抱き込み、当時の社会党委員長・村山富市を首班候補に担ぐという“奇策”に出た際、あれだけいいよう…

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歴代総理の胆力「海部俊樹」(1)海部政権は、初めから危惧されていた

海部俊樹の“売り”は、一にも二にもその雄弁ぶりにあった。愛知県の旧制東海中学時代から県下の弁論大会に出れば優勝で、卒業後は弁護士を目指して中央大学専門部の法科に入るとともに、弁論部(「辞達学会(じたつがっかい)」と呼ぶ)にも入った。ここでも…

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歴代総理の胆力「宇野宗佑」(2)「文人政治家」としての高評価

宇野は総理としては失態で幕を降ろしたが、一方で、「文人政治家」としては政界では聞こえていた。シベリア抑留当時の体験を書いた「ダモイ・トウキョウ」ほか、「中山道守山宿」といった十指に余る著作もある“作家”の一方、自作句集がある“俳人”でもあっ…

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歴代総理の胆力「宇野宗佑」(1)“逆風3点セット”とスキャンダルで惨敗

「降って湧いた」という表現があるが、この宇野宗佑ほど降って湧いた形で総理大臣の座を射止めた人物はいない。昭和64(1989)年は1月7日に昭和天皇の崩御があり、その年はたった1週間で元号を「平成」と改めた。時の総理の竹下登がリクルート事件に…

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歴代総理の胆力「竹下登」(4)「退」で躓いてしまった慎重居士

そうした竹下は、政権を取ると、「落とし所に落とす」形で、狙い通り消費税導入を成功させた。一方で、外交は前任の中曽根康弘の方向性を踏襲、対米、対中関係とも、手堅さでこれをこなした。しかし、内政は、消費税導入のインパクトが大きかっただけに、「ふ…

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歴代総理の胆力「竹下登」(3)「政界のおしん」の異名

“苦節23年”ついに政権に就いた竹下登の政治手法は、強引さとはまったく無縁の辛抱に辛抱、周囲を説得に次ぐ説得で、ついには「落とす所に落とす」というものだった。「政界のおしん」「調整名人」との異名があったゆえんである。それを実証してみせたのは…

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歴代総理の胆力「竹下登」(2)“落とすところに落とす”腕力

その頃の竹下の“辛抱強さ”以外の評判は、調整のうえで物事を“落とすところに落とす”術にたけていたことから「調整名人」との評判が高かった。そのうえで、事を決して強引に運ばず、自己宣伝一切なしで前に出ることをせず、周囲への気配り、目配りをよくし…

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歴代総理の胆力「竹下登」(1)角栄はなぜ総裁候補に竹下を挙げなかったのか?

「苦節10年」という俚諺(りげん)があるが、この竹下登は天下を取るのに、じつに23年の歳月をかけたのだった。のちに触れる竹下の極め付きの“辛抱強さ”が、改めて知れるのである。竹下の「政治の師」は、国政入り後、初めてワラジを脱いだ佐藤派の領袖…

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歴代総理の胆力「中曽根康弘」(2)退陣後に15年間議員の異例

退陣を決意した中曽根は、後継に竹下登を指名した。安倍晋太郎(安倍晋三総理の父)、宮沢喜一(のちに総理)も候補とされたが、3者の中で最も自民党内がまとまりやすいとの理由で竹下を選択したということであった。同時に、竹下が順調な政権運営を続ければ…

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歴代総理の胆力「中曽根康弘」(1)評価が分かれた大統領型リーダーシップ

中曽根康弘政権は「戦後政治の総決算」を掲げた本格政権でもあったが、『構え』の大きさの割には実績評価は分かれている。とくに、5年にわたった政権に国民人気は高かったものの、退陣後の永田町とりわけ自民党内の評価は二分されていたものだった。中曽根は…

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歴代総理の胆力「鈴木善幸」(2)コペルニクス的“転身”で…

鈴木の経歴は、おもしろい。岩手県立水産学校(現・県立宮古(みやこ)水産高校)では弁論部に属し、一方で漁業協同組合組織とその活動ぶりに疑念を持ち、ここで改革の必要性に目覚めた。卒業時は、優等生であった。水産高校卒業後は農林省の水産講習所に入り…

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歴代総理の胆力「鈴木善幸」(1)「ゼンコー・フー(善幸って何者)?」

大平派最高幹部の鈴木善幸が、派閥領袖(りょうしゅう)の大平正芳の急逝により総理のイスにすわったのは、ロッキード事件にもまれ、なお影響力温存を窺った時の最大派閥の領袖、田中角栄の意向によるものだった。田中と鈴木は、昭和22(1947)年4月の…

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