TOKIOの長瀬智也が6月1日、元メンバーの山口達也氏が脱退して、同グループが4人体制となってから初めて公の場に登場した。6月15日公開の主演映画「空飛ぶタイヤ」の試写会で舞台挨拶だ。ベストセラー作家、池井戸潤氏の同名小説で初の映画化作品になるが、長瀬が演じるのは、タイヤ脱落事故を起こしたことから大企業と命がけで闘う小さな運送会社の社長。バイタリティーあふれる正義漢役で、これまでとは180度違う等身大のおじさん役だ。
「思い返すと、今までまともな役をやった記憶がない。そういう自分をちょっと反省しています。ボクでいいのかな?と正直思いました」
と、オファーに戸惑いを覚えたことを明かした。
「今年40歳になるんですけど、社会に対して自分のいる位置とかを考えることもあったので、挑戦という意味でもこの役をやらせていただくことを決めました」と長瀬。同世代の友人を思い浮かべながら役作りをしたそうで、「ここまで苦悩が続く役は初めて」と打ち明けると、本木克英監督に「全編通して苦悩する姿が非常に美しかった。スーツでも作業着でも美しい」と絶賛された。
「元メンバー、山口達也氏の謝罪会見から1カ月あまり経過していますが、この映画を撮影したのは昨春。もし山口の一件の後に撮影していたら、理不尽さに身悶える表情だと言われたり、世論に押しつぶされてもなお歯を食いしばる姿など身をもって体験したものがにじみ出たに違いありません。今までおちゃらけた役やコメディーよりの作品が多かったですからね。昨夏放映された連続ドラマ『ごめん、愛してる』(TBS系)で主演したものの、平均視聴率は2ケタに届かず、シリアスものは荷が重すぎるという声もきかれていました。この映画には生かすことができませんでしたが、今後今回の人生経験が、アラフォーアイドルから一皮むけて大人の役者に脱皮できるきっかけになればいいのですが」(映画ライター)
今こそ、本格俳優になるための人間力が問われている。
(塩勢知央)