9月6日に酒気帯び運転でひき逃げ事故を起こしていた元「モーニング娘。」の吉澤ひとみについて、東京地検は9月26日に道路交通法違反と自動車運転死傷処罰法違反の罪で起訴した。これにより吉澤の呼称は「容疑者」から「被告」に代わることとなった。
その吉澤被告は2017年9月29日に車同士の追突事故を起こしており、そこから1年経たない中での事故だったため、実刑は免れないとの観測も根強い。特にひき逃げの悪質性は明らかだ。起訴状などによると、事故当日、吉澤被告は酒気を帯びた状態で、法定速度の時速60キロを超える時速約86キロで赤信号の交差点に進入して事故を起こし、そのまま逃走しているのだ。その後にみずから110番通報したとはいえ、裁判での心証は著しく悪いと言われている。だが、今回の起訴を受け、執行猶予の判決になる可能性が見えてきたというのだ。週刊誌の記者が解説する。
「今回の起訴で注目すべき点は、自動車運転死傷処罰法違反において『過失運転致傷』を適用した点です。同法にはさらに悪質な『危険運転致死傷』も定義されており、こちらは15年以下の懲役が定められています。それに対して『過失運転致傷』では7年以下の懲役となっており、しかも条文では『その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる』と規定。今回の事故で被害者は幸いにも軽症で済んでおり、吉澤の量刑もそれなりに軽減されるはずです」
とはいえ、条文に従えば、吉澤被告には懲役7年の可能性もある。そして判決が懲役3年を超えるようであれば、刑法の定めにより執行猶予を付けることはできない。では、吉澤被告の裁判ではどれくらいの量刑が科されるのだろうか。
「量刑には相場があり、過失運転致傷と道路交通法違反の組み合わせでは、被害者のケガの程度によって懲役6カ月~3年といったところです。実はさらに重い『危険運転致死傷』であっても、平成23年の統計では168人中の131人が執行猶予となっており、その割合は78%と高いものでした。そのため今回の裁判で吉澤に執行猶予がつく可能性は相当に高いものと予想できます」(前出・週刊誌記者)
ちなみに「危険運転致死傷」で死亡者が出た場合だと、100%実刑となるという。吉澤被告の事故では何より、被害者が軽症で済んだことを神に感謝すべきかもしれない。
(金田麻有)