テレビ朝日が、大みそかの特番としてお笑いコンビ・よゐこの人気シリーズ「無人島0円生活」を放送することを発表したのは去る12月10日。同シリーズの年末特番は07年以来11年ぶりで、前回には11.8%の高視聴率をマークしていた。発表会見でよゐこの濱口優は、5月に入籍したばかりの南明奈が「『また?』って笑ってました」と明かしていたが、テレ朝には新婚の濱口を担ぎ出さずにはいられない切実な事情があるという。テレビ誌のライターが指摘する。
「大みそかの民放特番は『NHK紅白歌合戦』と『笑ってはいけない』(日本テレビ)が鉄板の二強で、他局にとっては3位争いの場。視聴率10%を稼げれば大成功です。テレ朝ではこのところ『くりぃむvs林修!超クイズサバイバー』を放送してきましたが、紅白の真裏となる“二部”の視聴率はここ3年で7.0%、5.8%、5.2%と右肩下がりに低下。特に昨年は、22時までの時間帯では『第50回年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京)に抜かれてしまい、22時以降も同じテレ東のドラマ『孤独のグルメ』に肉薄されたのです。しかも今年はTBSが『SASUKE』の生放送という奥の手を繰り出すことがわかっていますから、“金属疲労”の著しい『クイズサバイバー』に見切りをつけざるを得なかったのでしょう」
ただ、いくら「無人島0円生活」に実績があるとはいっても、大みそかでの放送は11年も前の話。日本にまだスマホがないころで、視聴率事情も現在とは大きく異なっているはずだ。その状況でテレビ朝日はなぜ、同シリーズに勝算を見いだしたのだろうか。
「狙いはズバリ、子供の取り込みでしょう。大みそかには子供が確実に在宅していますし、少子化で“子供ファースト”の傾向が高まった現在では、子供に見てもらえる番組作りが重要。その点、『無人島0円生活』は濱口の決めセリフである『とったどー!』が子供にも人気のフレーズですし、親としても多少の教育効果が見込める内容です。その子供狙いでテレ朝では『ドラえもん』を放送していた時期もありましたが、アニメだと遅い時間まで放送できないのが難点。そこをカバーする意味もあって、今回の『無人島0円生活』では初の年越し放送を行うのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
はたしてテレビ朝日の狙い通り、視聴率を「とったどー!」となるのだろうか。
(金田麻有)