18年4月には埼玉医科大の客員教授にも就き、その直前には政界入り説も噂に上った。テレビ局政治部記者が振り返る。
「そもそも早大の平田教授は内閣官房参与で、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の事務局長を務め、菅義偉官房長官(70)のブレーンと呼ばれる人物です。16年の参議院選挙で当選したバレーボール界の朝日健太郎も14年度の卒業生。17年3月の自民党の党大会に原監督が特別ゲストとして登壇したのも、菅・平田ラインの要望ではないかと言われました」
安倍晋三総理(64)をはじめ、3500人余りの出席者を前にして、原監督はトップアスリート育成の「教育改革」に向けた「ヒーローズスクール」なる一案を披露した。政治部記者が続ける。
「マラソン王国ケニアの子供たちの生活環境を例にして訴えました。『国の取り組みができれば、スポーツ界にもいい影響を及ぼす』という発言からも、政界入りの可能性がうかがえましたね」
ただ、この政治的な動きに対しては、学連内部からの反発も聞こえてきたという。社会部記者が明かす。
「学連の評議員でいながら、安倍総理の三選を支持するかのような発言があったり、加計問題などで揺れているさなかの言動が波紋を呼びました。五輪やスポーツ選手を政治利用する安倍総理のやり方に反発があるだけに、なおさらでした」
原監督の活動は、その後も加速する。
「テレビ出演もさることながら、講演活動に精力的で、その出演料はうなぎ登りです。現在、企業向けであれば1回200万円以上で、地方の商工会議所などの依頼でも150万円と超一流の金額です。駅伝監督としての実績のみならず、大学の合宿所に夫人と住み込み、大学院の学位授与式にも夫人同伴だったりと、仲むつまじい姿も好感度アップにつながっている」(スポーツ紙デスク)
そして今後の政界進出については、
「本人は自民党からのオファーについて完全否定です。さる自民党関係者も『スカウトして(青学に)来てくれた学生がいるので(監督を)辞められない、と断られた』と言う。でも、口癖の『ライバルは早大、東洋大などの他校ではなく、野球界、サッカー界。大学スポーツ全体に寄与したい』を実現させるための早道は政界入り。『常識を疑え』を信条とする原監督がサプライズを起こしても不思議はないでしょう」(駅伝関係者)