ドラマにも当然、予算というものがある。4月からスタートしたテレビ朝日系の「科捜研の女」についても同様だが、今回は開局60周年記念作品、放送期間も1年間という長丁場であることから、通常よりも増額された可能性は高い。
「4クール連続での出演の拘束を考えれば、当然、主役の榊マリコを演じる沢口靖子の1話分のギャラも、上乗せがあって当然のこと。そんな中、5月30日の7話目と6月6日放送分の8話目は、科捜研のメンバー3人が休暇中という設定で、珍しく和歌山県白浜町にある『アドベンチャーワールド』を舞台にする地方ロケとなったのです」(テレビ誌編集者)
その内容は、マリコたちが発生した事件について和歌山県警の立場を無視して捜査に動くというもの。7話の終盤で不審に見えていた男が京都で遺体となって発見され、続きは8話に持ち越すという流れだった。
「そこでいつもの準主役・内藤剛志演じる土門薫刑事の出番になりそうなところを、なぜか7話、8話とも登場することがなく、視聴者からは《土門さんどうした?》と、これを不安がる声が多く上がっていましたね。ただし一方でネット上が歓喜したのが、和歌山県警のイケメン刑事・熊谷馨役での平岡祐太の登場。《ワイルドすぎる!》と大騒ぎになっていました」(テレビウオッチャー)
それもあってか、一時9%台まで下がった視聴率も、7話、8話と12%台をキープした。
「長く続くドラマには、必ず“新しい血”が必要になる。特に4クール連続では必ずマンネリが起こることから、そのテコ入れとして平岡を登場させたのでしょう。一方で、予算が増えているとしても、このご時世、たかが知れており、出演者のギャラに上乗せがあればそのぶん、どこかで削らなけれならない。地方ロケを2話分に引っ張ったのも、そのためかもしれません」(前出・テレビ誌編集者)
60周年の企画は一見ド派手だが、現場は試行錯誤のようだ。
(津田昌平)