1日18時間労働は当たり前で「犬扱い」の体罰を受けるAさんはなぜ、この「暴力居酒屋」で働き続けるのか。別の男性客が言う。
「Aは借金があるのか、自分でアパートが借りられず、Fさんの家で一緒に暮らしていると言ってました。『なんで辞めないの?』と聞いてもあいまいな返事しか返ってこない。暴力で洗脳されているとしか思えません。先日なんて右目に眼帯をつけていたんです。これまで痕跡が目立つような暴行はなかったので、もし殴られて顔が腫れ上がっているとしたら危険な状況かも‥‥」
それでもAさんがみずから告発できないのはほぼ24時間、F氏の監視下に置かれているためか。
6月某日、記者は同居酒屋でAさんに接触。証言どおり、右目に眼帯をつけていたのでケガの具合について聞くと、
「ものもらいですよ‥‥」
と答えるのみだった。
警視庁元刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は言う。
「加害者への恐怖心や職を失うことへの不安が、告発にブレーキをかけている可能性は高い。私も似たような相談を何度も受けましたが、第三者が警察に被害届を出すことはできません。暴行の証拠となる医師の診断書も取れませんからね。もしそういう人がいたら、ケガを負った際の写真を撮って記録として残してあげるか、マスコミが動いて加害者側にプレッシャーをかけるしかありません」
一連の暴行疑惑についてどう答えるか。6月13日の昼下がり、「成田童夢の店 和馬’s Cafe」の前でF氏を直撃した。
──従業員に暴力を振るっている?
「それはないです。?る時は?りますけど‥‥」
──パトカーが駆けつける騒ぎもあった。
「はい。でも警察が来て、(暴力は)なかったということになってますから」
──成田童夢さんの名に泥を塗る行為では?
「暴力は一切ありません。それをやると店ができなくなりますから」
──複数の目撃証言があります。
「タレコミがあったんですか? ただのやっかみじゃないですか? 弁当(の仕出し)がうまくいっているから」
疑惑を完全否定するF氏だが、Aさんが親しい知人に送信した、「(F氏に)また殴られた」という旨のメールを入手している。
同店の「オーナー」である成田に取材を申し込むと、所属事務所の担当者からこんな答えが。
「成田はオーナーではありません。知人に頼まれて名前の使用を許可しているというだけで、経営はもちろん、店の運営にもタッチしていません。名前や写真の使用に関して報酬を受け取ったこともありません」
F氏による暴行・パワハラについても、「寝耳に水」とのことだった。
たとえ無報酬とはいえ、事件化されれば高い有名税を払うことになりそうだ。