新年スタートのドラマのラインナップをざっと見る限り、医療系のドラマがいつにも増して多いことがわかる。その“原因”は、昨年末で第6シリーズが終了した「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)だという。
「これまで医療系ドラマで他の追随を許さなかった『ドクターX』ですが、6作目の平均視聴率は18.5%。立派な数字ではありますが、歴代では最低でした。当初、主演の米倉涼子が役の色が付き過ぎることを嫌がっていたとも言われ、これまで脇を固めてきた西田敏行や岸部一徳らも高齢化でパワーが落ちていた。そうした6作目のスタートにもたつく状況を他局がキャッチし、“打倒ドクターX”とばかりに新たな医療系ドラマを練り上げ、今回のクールに至っているわけです」(ドラマ制作会社社員)
中でも力が入っているのが、6年連続で年間視聴率三冠王を獲得している日本テレビだ。1月11日にスタートする「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」では、主演に天海祐希を起用。同タイトルの小説が原作ではあるものの、主人公は“手術はすべて成功して当たり前”というキャラで、「ドクターX」で米倉演じる大門未知子の「私、失敗しないので」に、敵対心ムキ出しだ。
フジテレビは「アライブ がん専門医のカルテ」で対抗する。松下奈緒と木村佳乃演じる女医2人が、がんに立ち向かうメディカル・ヒューマンドラマ。初回視聴率は8.4%で、まずまずの滑り出しを見せている。
TBSは「病室で念仏を唱えないでください」で、僧侶が救命救急医という異色もの。主演を伊藤英明が演じ、1月17日放送の最後発で放送がスタート。
「こうした動きにテレビ朝日も危機感を持ったのでしょう。早くも今年10月期での放送をメドに、『ドクターX』の第7シリーズの準備を進めているという情報もある。この医療モノのドラマ戦争、かなり見ものですよ」(テレビ誌編集者)
はたして、勝者はどの局か…。
(津田昌平)