テレビ番組を主だった「シノギ」の「シマ」として、紳助親分は荒稼ぎをしてきた。とはいえ、そうした番組の関係者たちの中には、「紳助一家」の壊滅を望む者も多かったようだ。というのも、一家の構成員がなんと、番組の外部スタッフから「ショバ代」を徴収していたというのである。
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紳助が出演していた高視聴率番組の関係者が明かす。
「これまでは紳助さんにペコペコしていたスタッフたちも、引退以後は多くが関わりを絶って距離を取っている。ところが、いまだに紳助さんと行動を共にする子分たちがいるんです。特にAさんという芸能プロの幹部は、吉本興業の社員でもないのに、引退会見や沖縄にまで同行するほどで、紳助さんの側近と言っても差し支えはない」
芸能界を「破門」された親分の世話をするとは、見上げた忠誠心である。
「紳助さんとAさんが知り合ったのは6~7年ほど前で、ほどなく紳助さんから信頼されるようになったAさんは、かつて在籍していた会社から独立し、現在の芸能プロを立ち上げたようです。同事務所では、紳助さんの息がかかったタレントなどを管理しています」(芸能プロ関係者)
いわば、融通の利く「企業舎弟」といったところか。紳助親分もいい子分を持ったものだ。
とはいえ、「カタギ」たる番組スタッフたちにとって、この2人の絆は脅威以外の何物でもなかったという。実は紳助とA氏が関係する仕事において、警察ざたになってもおかしくないトラブルがあったというのだ。
「番組に関わる外部スタッフの中には、仕事が発注された経緯の都合上、Aさんの事務所を経由してギャラが手元に届く人たちもいた。なんとAさんは、そうしたスタッフたちのギャラを不当にピンハネしていたというのです」(前出・番組関係者)
まさか紳助親分に「上納」していたわけではあるまいが、立場の弱いカタギからショバ代を巻き上げていたようである。それも複数のスタッフたちから、法外な額を徴収していたというのだから耳を疑う。 事実関係を伝え聞いたという、民放局関係者がこう憤る。「出入りしている外部スタッフのギャラは発注された仕事量にもよりますが、被害者スタッフの中には、ひと月で数百万円にも上る仕事をした者もいたという。ところが、スタッフたちがいざ請求すると、Aさんが提示した額はなんと、正規額の10分の1程度だったというんです。しかも抗議を受けるとAさんは激昂して、『ふざけんじゃねえ!』などと恫喝まがいのセリフを口にしたといいますよ」
理不尽に弱きをくじく。これぞ「紳助イズム」と言うべきなのだろうか。
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