テリー うまく付き合ったとしても、どうやって最後まで持っていくの?
加藤 いや、だから、それも自然に任せるよね。まぁ、うちに来てもらって。
テリー あ、そうか。家があるから「泊まっていかないか」って。
加藤 そうそう。だから自然な流れだよね。
テリー しかし、元気だよね。
加藤 元気でしょう。
テリー ちょっとだけじゃなかったですね。
加藤 「ちょっとだけよ、ちょっとだけよ」と言いながら、いっぱい頑張ってたのよ、俺(笑)。
テリー アハハ。でも、奥さんと結婚した時って「何だよ、若い女に騙されて」って、ずいぶん言われましたよね。
加藤 俺はよかったんだけど、かみさんがすげぇ叩かれてね。財産狙いとか、保険金狙いだって言われたんだけど。でも俺、みんなが思ってるほど蓄えなかったし。
テリー あ、そうなんだ。
加藤 でも、かみさんの実家は広島のほうにでかい会社を持ってて、すごい金持ちなのよ。だから本当は、俺が逆玉なの。みんなそれを知らないから「加藤が騙されてる」って。
テリー どっちかと言えば、奥さんが騙されてたんだ。
加藤 そうそう(笑)。かみさんと付き合い始めた頃、左とん平さんも小野ヤスシさんもまだ元気で、2人も言ってたからね。「お前みたいなジジイは、若い子に騙されてるに決まってる」って。「一緒に行って調べてやる」って、ついてきたりね。
テリー え、デートに?
加藤 そう。
テリー やっかいだねぇ、小野ヤスシと左とん平。
加藤 うん、やっかい、やっかい。で、来たら俺なんかより2人からの質問のほうがすごい多いのよ。
テリー 何を聞くの?
加藤 「どこを好きになったんだ」とか。
テリー アハハ。奥さんからしたら「何でこの2人に聞かれなきゃいけないの」だよね。
加藤 だから、かみさんはよく言ってたよ。「何でこの2人がついてきて、いろいろ質問するんだろう」って。たまに映画でも行こうかって時があって、今日は2人きりだろうなと思ったら、とん平さんが待ってたこともあったし。
テリー 邪魔だねぇ。
加藤 2人とも心配してくれてるんだけどね。小野さんも「俺が暴いてやる」とか言ってて。「いや、暴くんじゃなくて、うまく取り持ってくれねぇかな」って思ってたんだけど。
テリー そりゃ、そうだ。でも何回か会って、2人とも奥さんのよさをわかってくれたんでしょう。
加藤 そうだね。最初、小野さんは「あいつ騙されてるから、結婚式の司会なんか絶対にやらない」って言ってたんだけど、そのうちに「俺、絶対やるから」って言ってくれたからね。で、ガンの末期の時に頑張ってやってくれて。
テリー あ、その映像、俺も見させてもらいましたよ。加藤さんは小野さんのガンのことは知ってたの?
加藤 うん、知ってた。司会をやってくれて、3カ月後に亡くなってるから。よく頑張ってやってくれたなと思って、ありがたかったですよね。