西武ライオンズ、巨人で活躍した元プロ野球選手の大久保博元氏。現役引退後は、その指導力と人間性を買われ、故・星野仙一氏の後を受けるように、東北楽天ゴールデンイーグルス1軍監督も務めている。
大久保氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉の3月9日投稿回では、故・野村克也監督の「思いやりのある人柄」について明かされた。
〈野村監督(家族)の優しさをお伝えします〉とタイトルがつけられた同回を観てみると、ユニフォームを脱いでからは、サンケイスポーツの専属解説者も務める自身の立場から、出身地が茨城県の大久保氏らしく、毎年、各球団のキャンプ地に納豆の差し入れをしているのだと大久保氏はまず語った。
本当に品が届いたかどうか、音沙汰のない監督もいる中、長嶋茂雄監督はテレビで大久保氏が贈った納豆を褒め称えてくれた、といった大久保氏にとって嬉しいエピソードを添えつつ、野村監督については、挨拶に赴くと、「お前の納豆は最高や。わしは貧乏だったからな、納豆も高級品やったわ」と、大勢の記者の前で絶賛してくれたのだとか。
自身がプロ野球選手として名を馳せる前の貧乏時代のことを、ある意味懐かしく目を細めて語る野村監督の表情が目に浮かんできそうなエピソードである。
名将・野村監督は、人の気持ちと物の価値がわかる人、と絶賛した大久保氏だが、解説者だからといって全員が差し入れをするわけではないはずだ。大久保氏もまた人の気持ちを察し、自然と懐に入り込むのが上手なタイプなのだとも、あらためて思い知らされる興味深い回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)