お笑い第七世代には、現在進行形で尖っている芸人がいる。霜降り明星の粗品だ。
先輩芸人でも簡単に下に見ている。チョコレートプラネット・松尾駿が楽屋入りしても、寝転んだまま起き上がることなく、適当な挨拶をかましたり、ミキの昴生に対しては「オレの前を歩くなー!」と頭を叩いたことまである。さらば青春の光の東ブクロに至っては、同じ同志社大学の先輩後輩という関係でありながら、東ブクロが大学のお笑いサークル出身であることをいまだに小馬鹿にしている始末なのだ。
ナインティナインの岡村隆史は、粗品がダウンタウンの松本人志に対してまでも尖った態度で接することに恐れおののいている。
「粗品なんか、松本さんとかと番組をようやるから、(松本に)『金髪』とか言えんねん。でも『金髪』って言うたら、オレ、ビクッてすんねん。だから、粗品に『金髪言うな!』って。そんなん言うたら、殺されるぞっていうぐらいの勢いで」
注意すると「粗品は『すいません』みたいなことを言うてたけど…」と、岡村は語る。
爆笑問題の太田光は、粗品のツッコミの乱暴さを指摘する。楽屋あいさつに来た粗品に、「粗品さ、歌出したんだって?」「お前、第2の小林亜星狙ってんじゃねぇのか?」と言うと粗品はこう返したのだ。
「狙うか!狙うなら、もっと売れてる奴狙うわ」
小林亜星さんは、生涯で6000曲以上残しており、「アイツ、知らねぇから『お前、小林亜星は相当売れてるぞ』って」と、太田は正した。
また、テレビ番組でも約半世紀に渡って日本の芸能界を支えた漫才師、内海桂子・好江の名前が出た時も、「誰やそれ!」とツッコんでしまっている。
実は知らなくて、見切り発車的なツッコミなのか、うっすら知っていて、尖りから雑にツッコんでいるのか、気になるところだ。
坂下ブーラン(さかした・ぶーらん)=筆名=:1969年生まれのTVディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティ番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYoutTube動画を制作、視聴回数の爆発をめざし奮闘中。