東京・池袋が「オタク女子の聖地」と化している。池袋は以前より、サンシャイン前交差点から春日通りの東池袋三丁目交差点までの道に、女性を対象にしたアニメグッズや同人誌などを扱う店舗が密集し、一部では「腐女子の聖地」とされていた。
だがここ最近は、東口全域にアニメ専門店やアニメのコラボカフェ、さらにオタク女子に向けたメンズコンカフェまでがオープンしている。
かつてはオヤジの街として、様々な飲食店が存在していた池袋。だが、推し活ブームやインバウンド再開もあり、オタク向けの店舗や施設が拡大しているのが現状だ。これに近隣の企業に勤務する女性からは、悲痛な声が上がっている。
「東口に会社があるのですが、女性ひとりでランチを食べられるようなお店が全然ないんです。かつては定食屋とかベーグルが食べられるカフェなんかもあったのですが、最近は飲食店がどんどんなくなり、アニメのコラボカフェに変わってしまいました。コラボカフェのメニューはとにかく高く、ドリンクは1杯800円、食事は1500円ほどするので、ランチを食べるだけで相当な出費になってしまいます。サンシャインシティとか商業施設に入ればごはん屋さんはあるのですが、コスプレイベントがあると激混みで、入ることすらできません」
街全体がオタク女子にすり寄った結果、池袋に勤務する会社員が食事できる店が激減してしまったというのだ。そんな中、昔から多いラーメン屋だけは唯一、手頃な価格で食べられるのだが…。
「これも最近は外国人観光客が行列を作っていて、入ることもできません。ただでさえ世間は夏休みに入って家族連れも多いのに、このままではランチ難民になってしまいます。街を観光用に変えるのはいいのですが、地元で働く人のことも考えてほしいですね」(前出・池袋勤務の女性)
これも一種の観光公害というべきだろうか。