真空ジェシカが、「M-1グランプリ」で2021年から23年まで3年連続でファイナリストになった。吉本興業の漫才師が過半数を占めるなか、プロダクション人力舎のコンビの3年連続は快挙。すでにバラエティー番組の常連になっているため今年も活躍が期待できそうだ。
人力舎は少数精鋭で、才能の宝庫で知られる。アンタッチャブルは04年のM-1チャンピオンで、東京03は「キングオブコント2009」の覇者。吉住は20年に「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝。無名の吉住はまさに実力だけで手に入れたため、事務所の評価がいっそう高まった。それを祝して同年末には、中居正広のレギュラー番組の2時間特番として「中居くんと話してみたい特別編!今年色々あったよ人力舎芸人 クリスマス拡大SP」(TBS系)が放送された。
同番組には、総勢43名の人力舎芸人が出演。収録日には現場マネージャーはもちろん、社員、社長までスタジオに集結したという。文字通り事務所総出のお祭り騒ぎだったため、「中居節」が冴えわたった。テレビ番組関係者がこう証言する。
「収録終わりにスチールカメラマンさんが記念写真を撮ってくれました。そのあとに中居さんが『じゃあ、俺抜きで撮ろうか。人力舎、こんなにみんなが集まる機会はないでしょ。みんなだけで撮りなよ』と社員さんたちも手招き。さらにその後、『じゃあ、俺も入れたバージョンも撮ってもらおうかな』とおもむろにカメラマンさんの真ん前に立ちはだかって、芸人さんたちから『ちょっとー、うちら写んないじゃないですかー!』とツッコまれて、ひと笑い起こしました」
芸人たちからツッコまれるシーンを作ったのは、中居流儀。その後は「うそ、うそ」とほほ笑んで、その場を離れた。それだけでも若手芸人が見習うべくエンターテイナーである。
「後日、中居さんの個人事務所から人力舎全員が写った記念写真が額縁に入れられ送られてきたそうです。しかも芸人ら全員に行き渡るほどの数がどっさりと。さらに今、事務所の入り口を入った左横には巨大な金スマの額縁が飾られているのですが、それもあわせて贈答されたと聞きました」(前出・テレビ番組関係者)
中居の太っ腹すぎるおもてなし。テレビタレントとして長年トップランカーでいられる理由は、こうした心づかいを自ら吹聴しない格好よさにあるのかもしれない。
(北村ともこ)