芸能

林家三平「高座に上がってみないと何をやるか決められない」/テリー伊藤対談(2)

テリー じゃあ、浅草と池袋じゃネタも違うんだ。

三平 そうですね。日によってお客さんを見て。だから「今日何やるんですか」って聞かれても、脇で見るのと高座に上がって見るのでも、お客さんが違うんです。温度差がある。だから「高座に上がってみないと何をやるか決められない」って僕は言います。

テリー ということは、例えば「芝浜」みたいな噺がありますよね。それを今日やるからって事前にちょっと練習するとか、頭の中でいっぺんさらっておこうとかはできないんだ。

三平 そうですね。あと、「芝浜」とかはトリネタになりますから、僕はあんまりやらないんですよ。今の僕のポジションは2、3番なんで。

テリー あ、そういうのもあるんだ。

三平 はい。高座はトリへつないでいくリレーなんで。前の先輩たちはどんな噺をやったか、トリのこの方はどんな話をやるかって、傾向と対策を練っておかなきゃいけないので、その中で「じゃあ、自分は何をやるか」って、そのポジショニングは結構難しいんですよ。

テリー 今、大体高座って何分ぐらいの持ち時間なんですか。

三平 僕は大体15分です。15分って意外と短いんですよ。20分以上あると、きちんとストーリー的なものができるんですけど。

テリー 15分のうち3分ぐらいは枕?

三平 いや、僕はもっと振ります。下手すると5、6分振っちゃう時ありますね。

テリー じゃあ残り10分だ。短いね。

三平 だから、なるべくコンパクトな話で。やっぱり林家らしい明るい話じゃないといけないと思うので、寄席は明るい話にしてます。

テリー でも、(兄の林家)正蔵さんは明るくないじゃない。

三平 アハハハハ。兄は古典が多いですから。でも、うちは毎日が戦いですから。うちの中が面白いですよ。例えば、もうおふくろ(海老名香葉子)は90歳なんですけど、今日風邪で寝込んじゃいまして、「あんたが優しくしない」って怒られたりとか。

テリー 今、どこ住んでるの?

三平 僕は実家の近くです。味噌汁が冷めない場所にいなさいっていうのが条件で僕は家から出たんで。そこでカミさん(国分佐智子)と一緒に暮らしてます。

テリー お子さんは1人でしたっけ。

三平 1人です。今年で8つですね。ちょうど今、面白いですよ。「日本一速い電車は?」っていうクイズを出しましてね。「何て答えるかな」「のぞみとかはやぶさかな」と思ったら、「始発」って言ったんです。俺より頭いいじゃんと思って、オモチャ買っちゃいました。

テリー お子さんはもう作らないの?

三平 そうですね。うちのカミさんにもそろそろお仕事させてあげたいと思いますし。うちのことも一生懸命頑張ってくれてるので。ほんとにいい家族だなと思ってますよ。

テリー 偉いな。じゃあ浮気とか全然しないんだ。

三平 いや、今やったら、たぶん海老名家崩壊になると思います(笑)。

テリー そうか(笑)。

三平 でもね、テリーさん。私は父が45歳の時の子供なんですよ。私は45の時に子供が生まれたので、親父の後を追っかけてるような感じがするんです。父親はできるだけ僕に会っておきたいっていうイメ―ジがあったので、僕も自分の子にはいつも会っておきたいっていう。ですから、できるだけ仕事場も一緒に連れていけるような環境で、毎日できるだけ接しておかなきゃいけないなと思ってます。

ゲスト:林家三平(はやしや・さんぺい)1970年、東京都生まれ。昭和の爆笑王・林家三平(初代)の次男として誕生。大学在学中の1989年、林家こん平に入門、「林家いっ平」を名乗る。1993年に二ツ目、2002年に真打昇進。同年、「第19回 平成14年度 浅草芸能大賞新人賞」受賞。2009年、二代・林家三平を襲名。また「水戸黄門」(TBS系)で八兵衛役を務める(2009年〜2011年)など多方面で活躍。2016年から2021年まで「笑点」(日本テレビ系)のレギュラーも務めた。

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