第一子が誕生したドジャース・大谷翔平が、打撃不振に陥っている。
メジャーリーグ特有の産休制度「父親リスト」から復帰した4月22日(日本時間23日)のカブス戦では、今季2度目の対戦となる今永昇太に2三振を含む3打数無安打に封じ込められて撃沈。デーブ・ロバーツ監督は試合後のインタビューで、次のように述べ、大谷がメンタル不調を抱えている可能性を示唆した。
「復帰後のショウヘイは、以前ほどボールが見えていない。とりわけここ数日は、集中しきれていない。今永との対戦でもいいスイングには見えなかった」
では、大谷が抱えるメンタル不調の原因はどこにあるのか。そこで浮かび上がってくるのが、第一子誕生にともなう「睡眠不足への不安」である。
大谷は1日10時間以上のロングスリーパーとして知られている。ところが第一子の誕生で余儀なくされる「夜泣き」への対応をはじめとして、アスリート大谷の原動力となってきた「睡眠」が阻害される懸念が浮上してきた。
この点は、同僚らも指摘していた。奇しくも上記のカブス戦が行われた日、ムーキー・ベッツとテオスカー・ヘルナンデスが米スポーツ専門メディアのポッドキャスト番組に出演。ホストを務めるベッツは、次のように大谷への「助言内容」を明かしたのである。
「ショウヘイには『これは君自身が経験することだから、真の意味でのアドバイスなんてできない。でもこの先10年はまともに眠れない、そのことだけは受け入れなければならない』と伝えたよ。『(僕の経験でも)全く眠れなかった。だから眠ろうとするのではなく、眠れないことをただ受け入れて、起きるんだ』とね」
返す刀で、ゲストのヘルナンデスも次のように続けた。
「ショウヘイが(子育てで)いろいろとネガティブな面を考えてしまうことがあるかもしれない。ただ、それは何の役にも立たない、と言いたいね。ムーキーが言ったように、夜中に起きなきゃいけないなら起きるんだ。とにかく起きるんだ。考えすぎるともっと悪くなる。とにかく深く考えないことだ」
大谷は家庭内の新たな壁をどう乗り越えるのか。
(石森巌)