まったく、フジテレビはどこまで不快感をまき散らせば気が済むのだろう。
4月から「めざまし8」に代わってスタートした朝の情報番組「サン!シャイン」が、すこぶる不愉快だ。
何が不愉快って、まずはスタート時間だ。8時14分などという中途半端な時間に始まるせいで、その前番組「めざましテレビ」が延長された。「めざましテレビ」の占いで今日の運勢を見て一喜一憂しながら、NHKの朝ドラに移行する、という長年の生活習慣が崩れてしまったではないか。気付いた時には朝ドラが始まっているという状態で、最初の数分間を見逃すこともたびたび。まったく迷惑な話だ。
「めざましテレビ」の終わりに「あまたつ~!」のお天気コーナーを入れたり、クイズを出題し、答えは「サン!シャイン」で、という流れを作ってそのまま「めざましテレビ」から視聴者を移行させようという魂胆も卑しい。そもそも、その「めざましテレビ」も、アナウンサー同士の仲良しごっこにうんざりだ。
この非常事態に危機感がまったく見られないところが、いかにもフジテレビ。その「めざましテレビ」もかつては、朝の情報番組の中ではぶっちぎりの高視聴率を誇っていたが、今となっては…。このままでは共倒れになりかねない。
話を「サン!シャイン」に戻そう。MCの谷原章介は、見た目こそシュッとしていて、いかにもそれらしいが、中身のほうは…。なにかいつまで経っても、キャスター役を演じているような上っ面ぶりが気になる。
そしてスペシャルコメンテーターの3人だ。「めざまし8」から格上げのカズレーザーと、「ワイドナショー」から舞い降りてきた武田鉄矢、そしてTBS「サンデージャポン」の薄口政治評論家でおなじみの杉村太蔵。
クイズ番組で何度も優勝するなど、豊富な知識を自分の言葉でわかりやすく話すカズレーザーはよしとして、「ワイドナショー」でたびたび問題発言をブチかましてきた武田は「サン!シャイン」でも、例の中居正広の性暴力について「独身だったっていうのがねえ。親身な身内がいれば、ずいぶん態度は変わった」などと、世の独身を敵に回すような発言で炎上したのは記憶に新しいところ。他にも的外れに時代錯誤の上塗りのようなコメントがたびたび展開され、不快指数はMAXに。
それに加えて女装家コラムニストの肉乃小路ニクヨとか、元自民党衆院議員の佐藤ゆかりとか、元放送作家の鈴木おさむに、元オセロの松嶋尚美とか、元NHKの神田愛花とか、炎上狙いのコメンテーターを取り揃えるという愚行。あわよくば炎上で番組が盛り上がれば…などということを考えているのが透けて見える。
その際たる人物が、木曜の遙洋子だ。やしきたかじんの番組でブイブイいわせていたが、たかじん亡き後、関西でもパッタリ見なくなり清々していたら、ゾンビのように蘇ってびっくり。他の人が喋っている間も、私にも喋らせろ喋らせろという圧を出してくるから、本当にウザい。
それにしても松嶋といい遙といい、関西の番組ですらお払い箱になったようなタレントを拾ってきて再利用とは、よっぽど駒がないのか。まさにフジテレビの終焉を感じさせる番組だ。
(堀江南/テレビソムリエ)