「もう一度DAZNを見ていただいて、スポーツの楽しみを味わっていただきたいです」
株式会社NTTドコモ代表取締役副社長・齋藤武氏の声は、はたしてどれほどの人に届いたのだろうか。
NTTドコモとDAZNの新パートナーシップ契約締結発表会が4月24日に行われ、ドコモの新料金プラン「ドコモ MAX」「ドコモポイ活 MAX」で「DAZN for docomo」が追加料金0円で見放題になることが発表された。
DAZNは2016年のサービス開始当初こそ、月額1890円で全てのコンテンツが視聴可能だったが、2022年から2024年にかけて、3年連続で値上げを敢行。現在は当初の2倍超の月額4200円となっている。ドコモの新料金プランを契約してDAZNが見放題になるのであればスポーツ好きにはありがたいが、実は安易には喜べない大きな「落とし穴」があった。
ドコモMAXはハイエンドプランで、0~1GBは月額5698円、1~3GBは月額6798円。3GBからは無制限になるものの、月額は8448円に跳ね上がる。バンドルされるDAZN for docomoはそれだけで月額4200円であるため、費用対効果は確か大きく、一見すると割安に感じられる。
ならばと他社に目を向けてみれば、楽天モバイルの場合、ギガ無制限プランは月額3168円。これにDAZNスタンダートプランの月額4200円をプラスすると、7368円になる。ドコモMAXでDAZNを視聴する場合、大量のギガを消費することから、実質8448円の無制限プランを選ぶことになる。楽天モバイルとの差額1080円はあまりにも大きいのだ。
楽天モバイルの場合、DAZNを年間プランに変更すると月額あたり約2666円になるので、差額はさらに開くことになる。また同じドコモの「ahamo」の場合は、30GBで月額2970円であり、容量に制限はあるものの、楽天モバイルよりもさらに安価になる。
業務提携についてドコモとDAZNは「スポーツ視聴体験の新しい形を提供していく」としているが、現状の価格でどれだけの人がサービスを享受しようと思うだろうか。
今回の業務提携及び料金プランの改正は、DAZNユーザー以外からも「高すぎる」「どうしたらこんな改悪プランを提供しようと思ったのか」などと非難轟々で、他社への乗り換えを検討するユーザーが相次いでいる。
もう少し視聴者に寄り添った料金、プラットフォーム作りを望みたい。
(ケン高田)