マリナーズ傘下3Aタコマ・レイニアーズで苦戦する藤浪晋太郎に対し、かつて持ち上がった「格闘家転身」の噂が再燃している。
4月22日にドジャース傘下3Aシュガーランド・スペースカウボーイズ戦(タコマ)で0-0の6回一死の場面から3番手として登板したが、3者連続を含む4四球、3暴投、3失点で一死しか奪えずに降板した。投じた24球のうち、ストライクはわずか6球という惨状で、防御率は13.50まで悪化した。ジョン・ラッセル監督以下、首脳陣の信頼回復からは遠ざかる内容である。現地ジャーナリストが嘆息する。
「地元ファンからもヤジや罵声が飛ぶ内容でした。このままならメジャー昇格どころか、いつDFA、日本でいうところの戦力外通告を受けても不思議ではない状況まで追い込まれています」
現状を考えれば、DFAになった場合にはマイナー契約であっても獲得に乗り出す球団は皆無だろう。日本球界復帰に関しても、
「古巣の阪神をはじめ、手を挙げる球団はないのでは…」(スポーツ紙デスク)
との見方が大半を占めている。
プレーする球団がなければ最悪の場合、現役引退を余儀なくされる藤浪に対し、格闘家転身のオファーが舞い込みそうだと、格闘技ライターは言うのだ。
「藤浪は身長197センチ、体重100キロ超の大型サイズ。しかも両手を広げると、右手の先から左手の先まで208センチもある。これはMMA(総合格闘技)界のレジェンドであるジョン・ジョーンズと遜色ない。ジョーンズは身長193センチ、体重は112キロで、リーチは215センチの現UFCヘビー級チャンピオンです。トレーニングさえ積めば、藤浪もその世界で十分に戦える身体能力はある」
別の格闘技ライターも、
「総合格闘技ではないですが、ジャイアント馬場をはじめ、野球界から格闘界に転身して成功した例がある。しかも藤浪は甲子園の優勝投手で、阪神で活躍した投手。ルックスもいいし、話もうまい。人気が出ることは間違いありません。デビュー戦でワンマッチ、億単位のファイトマネーを用意する格闘技団体はあるでしょうね」
このままアメリカでのプレーにこだわるのか、それとも第二の人生へと踏み出すのか。決断を迫られる時が近づいているのは確かである。
(阿部勝彦)