1973年生まれの小倉隆史氏と山口貴之氏が、前園真聖氏のYouTubeチャンネルで同年齢のサッカー選手について語り、1973年生まれのベストプレイヤーを決定した。
この年は3人の他に望月重良や中西永輔、斎藤俊秀、上野良治など、名選手が多い当たり年。それだけに、ベストプレイヤーの決定は難航するかと思われた。山口氏は真っ先に前園氏の名前を挙げると、
「結果を残したっていえば、ゾノじゃない?」
日本代表を28年ぶりに五輪の舞台へと導いた功績を評価した。ここで「結果」が評価基準になると、W杯に出場した中西と服部年宏が最有力候補へと躍り出る。しかし、服部は試合には出場していないはずだと指摘され、中西が1973年ベストプレイヤーに決定した。これに小倉氏は、
「おかしいな」
と苦笑い。中西がベストプレイヤーという結果に納得がいかない様子である。
しかし、山口氏がこれを一刀両断。
「お前、W杯出たことあるのか、って言われたら(話は)終わり」
前園氏も容赦なく断じ、決定を支持した。
「海外に行って『お前、いつのW杯に出てる?』って言われた時に言えない時点でダメ。海外はW杯に出ているかどうかなんで」
ところがその後、服部が1998年のフランス大会に続き、2002年の日韓大会のメンバーであることがわかると、1973年生まれのベストプレイヤーは服部に変更。3人は服部の活躍を「印象にない」としながらも、ベストプレイヤーであることを認めたのだった。
3人の印象に残らなかったのは当然のことで、
「服部は1998年のフランス大会でメンバーに選ばれましたが、試合出場はありません。2002年の日韓大会は、グループリーグ2戦目のロシア戦で、小野伸二に代わって75分から出場しただけ。覚えていなくても仕方ないでしょう。一方、中西はフランス大会のアルゼンチン戦とクロアチア戦にフル出場。特にアルゼンチン戦ではFWクラウディオ・ロペスを、完璧に封じ込める活躍を見せました。結果でベストプレイヤーを決めるのであれば、中西の方がふさわしいかもしませんね」(サッカーライター)
服部がどんな選手だったかについて、
「黙々と自分の仕事をこなす。上下運動していた」(山口氏)
「言われたことをとにかくしっかりとタスクをこなす」(前園氏)
「頑固」(小倉氏)
地味ゆえにベストプレイヤーは意外に思えるが、近くで見てきた選手に高く評価されているのは明らかだ。
(鈴木誠)