2026年、サッカー北中米W杯アジア最終予選で首位に立つ日本は、11月15日にインドネシア戦、21日に中国戦(ともに日本時間21:00)と、アウェー2連戦に挑む。
同じ時期に日本のライバルであるサウジアラビアとオーストラリアの直接対決による潰し合いがあるため、日本はしっかりと2連勝して、本大会出場に大きく前進したいところだ。
森保ジャパンのここまでの戦いを振り返ると、3バックをベースに3-4-2-1システムで戦ってきた。しかも先発、途中出場の違いはあっても、ほとんど同じメンバーを起用。おそらくW杯出場が決まるまで、思い切った選手起用はないだろう。
ただ、見てみたいと思うフレッシュな選手はいる。例えば、FWの大橋祐紀(ブラックバーン・ローヴァーズ)。湘南ベルマーレに所属していた2023年に、いきなりブレイク。開幕戦でハットトリックを決めるも、第3節に肉離れで離脱し、10試合以上も遠ざかった。それでも夏に復帰すると、再びゴールを量産。シーズン13ゴールを決めた。
今季はサンフレッチェ広島に移籍し、海外移籍を決断した7月まで、22試合で11ゴールを決めている。ブラックバーンに移籍後、10月の代表戦で初招集。それだけ森保一監督が期待している証拠だ。
左右両足から、強烈なシュートを打てる。湘南で鍛えられた、前線からのハードワークは魅力だ。ワントップだけではなく、シャドーでもプレーできる。28歳と決して若くはないが、今回は上田綺世(フェイエノールト)がケガの影響で招集されていないだけに、代表デビューのチャンスはある。
もうひとりは、DFの瀬古歩夢(グラスホッパー・チューリッヒ)だ。10月の代表戦で、昨年6月以来の代表復帰となった。森保監督は招集の理由を「ずっと追っていた。確実にレベルアップしている」と太鼓判を押した。
2020年、史上4人目となるJリーグとルヴァン杯の新人賞を、ダブル受賞した。当時から前線への精度の高いフィードには定評があった。3バックならどこでも守れるし、最近ではボランチでもプレーしている。しかもここにきて、谷口彰悟(シント=トロイデン)が11月8日の試合で負傷し、代表を辞退。瀬古が3バックの一角で先発する可能性は、ゼロではない。
この2人とは立場が違うが、約1年ぶりの招集となったのが、古橋亨梧(セルティック)。すでに代表では21試合に出場しているが、数多くのチャンスをもらいながら、結果が出なかった。今回は追試のようなもの。森保監督を悩ませるような結果を出せるか、最後のチャンスとなる。
インドネシア代表は16人が帰化選手で、ほとんどが欧州でプレーしている。オランダやベルギーの1部リーグで活躍している選手も多い。試合が行われるゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムは7万人以上を収容し、チケットは完売したと言われている。簡単な試合にはならない。
中国戦もスタジアムは真っ赤に染まり、異様な雰囲気に包まれる。7-0で快勝したホームの試合のように、また快勝というわけにはいかないだろう。
それでも、ノルマは2連勝しかない。
(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。