森保ジャパンが初の海外遠征(9月9日ドイツ戦、12日トルコ戦)に挑むが、そのメンバーは前回から大きく入れ替わったわけでもなく、今回のメンバーを中心に来年1月のアジア杯に挑むのだろう。
そんな中で注目されているのが初招集の毎熊晟矢(セレッソ大阪)。右サイドバック転向3年目での代表入りは異例のこと。
スピードがあって、運動量と球際の強度もある。でも、それは現代サッカーでは当たり前のこと。彼の良さは大学までFWだった攻撃力。縦に突破するだけでなく、中にドリブルで切れ込んでもいける。森保監督が視察した8月26日の名古屋戦では、先制ゴールに繋がる正確なロングフィードを見せている。
ドイツ戦での出場は難しいだろうが、トルコ戦で先発で使ってほしい。後半途中からの15分ぐらいの出場では意味がない。先発ならどこまで通用するはっきりするし、ダメなら前半で交代させればいい。
そしてもう1人、前回は追加招集だったが今回は最初からメンバーに選ばれた伊藤敦樹(浦和レッズ)。遠藤航の後継者というべきか、Jリーグのデュエル王か。ボールを奪えば、その勢いで前線までボールを運び、攻撃に結びつける。185㎝の体格も魅力で外国人選手にも当たり負けしない。個人的な意見ではあるが、1日でも早く欧州に移籍してほしい。そして欧州でどこまで通用するのか見てみたい。今回の遠征でも、期待したい選手のひとりだ。
ただ、毎熊も伊藤も25歳と決して若くはない。来年のパリ五輪後には五輪世代と融合させられ、2026年の北米W杯を目指すことになる。だから常にアピールし続けないと、代表から外される可能性もある。
今回のメンバーで1つ気になるのは、Jリーグで得点ランキング1位の大迫勇也が選ばれなかったこと。森保監督からみれば、プレースタイルも性格も知り尽くしているし使いやすいはずだ。ただ、森保監督は「未来、この先のことを考えた」と言った。つまり大迫の33歳という年齢がネックになったということか。
代表は選手を育てる場所ではない。年齢に関係なく結果を出している選手が集まるところではないか。今季のJリーグで大迫が優勝、得点王、MVPとタイトルを総なめしたら、それでも森保監督は代表に選ばないのだろうか?
(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。