「将来、もし機会が訪れるのであれば、喜んで受け入れる」
これはサッカーJ1京都サンガF.C.に所属するFWラファエル・エリアスが、母国ブラジルのメディア「terra」のインタビューで答えたものだ。喜んで受け入れることとは「日本への帰化」である。
現在26歳の、左利きのストライカー。2024年6月のシーズン途中に、京都に期限付き移籍で加入した。その頃の京都はホームで7連敗を喫するなど最下位争いから抜け出せず、J2降格のピンチに陥っていた。そんなチーム事情の中、すぐにチームにフィット。ゴール前での嗅覚に優れ、絶妙なポジショニングでゴールを奪う。結局、15試合で11ゴールをマークして、クラブ史上初の3年連続J1残留に貢献している。
今季は完全移籍に切り替え、第10節までの全試合に先発出場すると、6得点3アシストと絶好調(4月13日終了時点)。チームは2位につける快進撃を続けており、サポーターからは救世主として崇められている。
もはやJ1クラスのディフェンダーでは太刀打ちできない「本物」のストライカーは、日本語の勉強に熱心で、 「試合中にチームメイトを鼓舞する時にも日本語を使い、会話をするには困らないレベルまで上達しています」(サッカーライター)
日本に5年以上も継続して居住するなど、帰化申請の条件をクリアしており、実現するならば30歳頃の話になるが、
「長期政権の森保ジャパンを見ても、絶対的なストライカー不在の状況が続いています。4年ぐらい先の話になるとはいえ、ラファエル・エリアスのような決定力に優れたフォワードがいれば、秘密兵器としてワールドカップ優勝にグッと近づくのは間違いありません」(前出・サッカーライター)
日本代表の歴史を紐解けば、ラモス瑠偉や田中マルクス闘莉王がチーム力を押し上げ、何度も窮地を救ってきた。それだけに、大いに期待せずにはいられないのだ。
(海原牧人)