サッカー選手であれば誰もが日本代表に選ばれ、日の丸をつけたユニフォームを着てピッチに立ちたいと思うもの。代表のステータスは最高だ。しかし元日本代表の井原正巳氏は、以前はそうではなかったという。
井原氏は筑波大学2年生の時に、日本代表に選ばれた。初めての日本代表は井原氏の目にどう映ったのか。鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで明かされたのは、
「当時は代表もまだアマチュア。先輩に『社会人チームでやっていた方がいい。代表に来てもなんのお金にもならない』とか『代表でケガしたらどうしようもない』と言う人もいた。なにがなんでも代表に入りたい、みたいな憧れの日本代表ではなかったのかな」
多くのお金をもらえる社会人チームの方が、日本代表よりもステータスは高く、代表としてプレーしたがる選手は少なかったというのだ。それでも井原氏は、日本代表にすがりついてでもプレーしたかったという。その理由は仰天モノだ。
「当時は代表に行くと、日当で1万円がもらえた。大学生だったので(ありがたかった)。2週間の合宿があったら14万円もらえた。それがもう、大きくて。食事も全部出るし、いいご飯を食べられるし。あと、シューズが提供されたり。そういうのが嬉しくて、絶対に代表にかじりついてやると思ってやっていた」
これが功を奏したのか、井原氏は1988年から1999年まで日の丸を背負い、代表キャップは歴代4位の122を数えるまでになった。同時に日本代表のステータスも上昇したのである。
(鈴木誠)