昨シーズンは前年の18試合を上回る30試合に出場するも、打率1割4分5厘、0本塁打に終わった広島カープの中村奨成。広陵高校3年時の夏の甲子園では、大会記録を更新する6本塁打を放ち、鳴り物入りでプロの門を叩いたが、いまだ1軍に定着できないのが現状だ。
今年の春季キャンプは初日から1軍スタートし、黙々とバットを振って汗を流しているが、肝心の練習試合や紅白戦では一向に快音を響かせることができず、後輩の二俣翔一や内田湘大らに話題を奪われている。
確かに中村のバッティングを見ると、早いカウントから積極的に打ちにいっても、ファウルか詰まったポップフライ、あるいはボテボテのゴロばかりで、タイミングが取れていないのは素人目にもわかるレベル。これまで温かい目で見てきたファンは「もう語ることはないでしょ」とにべもない。
2月19日のロッテとの練習試合を観戦した野球解説者の田尾安志氏は、
「守備の面ではファインプレーをして活躍した。打つ方はなかなか結果が出ない。振りにいった時に、後ろで止まってしまう。トップが安定しないから、タイミングがとれていない。もういい年なので、技術力を早く身に付けないと」
そう厳しく断じるのだった。
プロ8年でいまだ技術が身についていないと言われては、中村に返す言葉はなかろう。鈴木誠也や坂倉将吾がバットを振りまくっていた時期に、女性の尻を追いかけて腰を振っていては、大きな差がついてしまうのは当然なのである。
地元・広陵高校のドラフト1位とあって、これまで松田元オーナーの寵愛を受けてきた中村だが、今季結果を残せなければ、真剣にセカンドキャリアを考えることになるだろう。
(ケン高田)