テリー とはいっても国会議員になったことは大きいですよね。支持者がいたから議員になれたわけで。そして今回、小沢一郎さんと新党「生活の党と山本太郎となかまたち」を組みましたよね。けっこう、世の中が驚いたと思うんですけど。
山本 そうですかね。知らない人のほうが多いんじゃないですか。政党要件を満たして共同代表という立場にさせていただきましたけども、政党が小さすぎるという理由で、NHKからも出演を除外されていますから。公共放送って何だろう、という話なんですけど。
テリー 一緒に党を組むのは、どちらから声をかけたんですか。
山本 向こうからお話をいただいて。要は国会議員が5人いないと、政党要件が満たされない。政党として認められないことには国会内でも、国会外の活動でも、かなり制限があります。
テリー 交付金ももらえなくなりますよね。
山本 お金でいえば、自民党に落ちるのが約170億円、民主党に落ちるのが約77億円。うちの政党は約3億円です。「金が目的なのか」と聞かれると、もちろんそれは必要です。
テリー 選挙にはお金がかなりかかりますよね。
山本 小選挙区選挙の時の1人のエントリー料が300万なんです。逆に政党要件を満たさずに衆議院比例で立つ場合は、1人600万で全国で2億5200万円もかかります。誰が選挙に出るためのエントリー料金でそんなに出せるのか。そのあとに選挙の活動費用、事務所、車、人と、数千万円かかります。要は、政治に新規参入をさせないための、永田町の悪い親父たちのアイデアなんですよ。
テリー なるほど。
山本 新しく入る人間のハードルを上げるために「供託金」というものを設けている。これは、世界で比べてもすごく高いんです。選挙に出るのに300万、600万かかるというのは、法外な値段ですよ。だから政治参加するのにもお金がいるし、日常の政治活動をするのにもお金がいるしという部分があります。
テリー 政党助成金目当てだ、という批判もあるけど、実際にお金がかかる問題なわけだ。ただ「えっ、小沢一郎と山本太郎か」と、この合体が不思議な感じもしたんですよ。小沢さんのどこに共感したんですか?
山本 例えば被曝に関しての意識。これはどの政党も主張していないんです。原子力がどうして危ないかというと、被曝の危険性があるからです。今も日本は、原子力緊急事態宣言のままずっと来ているんですよね。「レベル7の事故が3基起こっている」という現実が、この4年間、ずっと継続しているんです。そんな中で、被曝問題にはほとんど触れないというのが国会の大多数の方向性。
テリー 生活の党は違った。
山本 はい。党として被曝問題に触れているのは生活の党だけ、小沢一郎だけ。
テリー どういうふうに触れているの?
山本 今、高線量の地域にお住まいの方々に対して、避難の権利を与えるべきじゃないかというような政策が入っています。その1点だけでも、僕は方向が合ってると思います。