大勢の国民の後押しにより、みごと参院選で当選した山本太郎。さっそく強い風当たりを実感しながらも「そこまで思っていただけて光栄」と心が折れることはない。原発、TPPと山積する国の課題に鋭く切り込む山本に、かつて何度も山本を映画に登場させた井筒監督も「太郎こそ国民の代弁者」と大エール!
──今、日本で最も敵の多い映画監督と国会議員に来ていただきました(笑)。
井筒 ほんまやで!
山本 自分は不在でしたけど、選挙期間中も芸能人や芸能関係者なら最も避けたいであろう山本太郎事務所に顔を出していただいて。
井筒 若いヤツらとちょっと顔出そかぁ、言うてね。あれもワケわからんのよ。差し入れする物も吟味しないと選挙違反になる言われたわ。ジュースはアカンらしいねん。誰かが調べよってん。お茶と水なら許されるって。クソ暑い時に必死で闘ってるのに、そこからオカシイわ、この国。
山本 アハハハハ!
井筒 みかんやモナカみたいなお茶請けはグレーゾーンや言うて。何じゃそりゃ、最低の選挙法。一事が万事そういうことやねん。だから太郎ちゃんには一事が万事、全て直していってもらわないとアカンわ。
山本 それ、やること多すぎますって(笑)。
井筒 そらそうや(笑)。だけど、ウチらの映画仲間から参議院議員が出るなんて心強いね。これまで選挙なんか行ったこともない連中が、あの人の主張だけが人間らしいから、投票する気になったとか言うてたよ。
山本 確かに街頭演説のあとに、これまで選挙に行かなかったけど‥‥と言ってくれた人は多かったですね。
井筒 そうやろ。今までの立候補者ってクソオヤジとか気持ち悪いババアとか、何考えてるかわからない弁護士とか、どっかの銀行員の払い下げみたいな怪しい連中とか、あとはピーク過ぎたタレントしかおらんかったわけやんか。
山本 監督、相変わらず毒々モンスターですねぇ!
井筒 でも、ほんまにそうやったろ。つまり、自分らの代弁者がおらんかったわけよ。オレ自身は選挙自体をブチ壊したいアナーキストだから投票には行かんかったけど、オレの一票なんかなくても安心してたよ。
山本 ありがたい話です。
井筒 高円寺のおばちゃんなんか「あの人、ハゲになってはるし、もうかわいそうだし、頑張ってほしいわねぇ」言うてたもん(笑)。
山本 アハハハ。この十円ハゲも効果ありましたか。
井筒 効果絶大やろ。自民党の政治家なんかロクでもない顔面してるのに頭の毛だけフサフサやもんな。政治の仕事なんか、マジにやったら毛なんか抜けまくるはずやねん。安倍とか1回ぐらいハゲてみろって話やろ。どいつもこいつもポマードなんかいまだにつけてやがるし。あのハゲないことこそがヤツらのヌルさと傲慢さや。腹立つわ!
山本 どっち側に立つかどうかでハゲるかハゲないか決まるんでしょうね(笑)。
──ところで今回の対談、このおふたりには部屋を貸せません、と断ってきたホテルがあったんです。
山本 ほお、なるほどぉ。
井筒 マジか! 一回、クンロク入れたろか!
──やはり“敵”の存在は実感されますか?
山本 全国から応援してくださった人以外は「うっとうしいな」「早く死ねばいいのに」と思ってるでしょうね。中でも一番は既得権益の人たち。
井筒 政治と金儲けがつながってるような連中やろ。
山本 企業のロビー活動家とかですよね。早よ潰してしまえ、半年以内や! という感じですね。
井筒 電力屋はじめ、CM垂れ流してる大企業なんかみんなそうやろ。テメエらの安泰安住しか考えてないヤツらばっかりやから。
山本 監督、すばらしいですね(笑)。要は毒物をバラまいて「安全や」言うてる人がいちばん過激なはずでしょ? でも、その人たちにボクは「過激派」って言われてるんですよ(笑)。