北海道・阿寒湖の名物である、マリモを擬人化したマスコットキャラクター「まりもっこり」を覚えていますか。
尺取虫のような目のニンマリ顔、上下グリーンのジャージを身にまとい、やけに目につくおマタの膨らみ。札幌市の土産物問屋の株式会社キョーワにより、「まりも」と男性のおマタが目立っている状態=「もっこり」をかけ合わせてキャラクター化された。その誕生は2005年で、居酒屋で飲みながら浮かんだアイデアが元とのこと。さもありなんという感じである。2006年の「ひこにゃん」、2010年の「くまモン」よりも古く、いわば「ご当地キャラ」の走りともいえる存在だ。
下ネタ絡みの名前に、まんまな見た目の「まりもっこり」は、誕生当時でさえ賛否両論があったが、はたしてこのご時世でどうなっているのか。4月24日放送の「サン!シャイン」(フジテレビ系)が、そんな「まりもっこり」の歴史と現状を調査報道していた。
まさか「令和仕様」に変更でもされて、あの膨らみがなくなっていたら、それこそ「まりぺっちゃり」になってしまうと危惧していたが、「安心してください。膨らんでますよ」と言いたくなるほど「もっこり」は健在。現地の土産物屋では売り場面積こそ縮小されたものの、いまだに人気が高いとのことで、観光地に置かれた顔はめパネル(クッキングボウルで「もっこり」を表現)も国の内外を問わず、観光客に好評とのことで、ひと安心だった。
しかし、気になった場面が…。新ドラマ「波うららかに、めおと日和」ヒロインの芳根京子と相手役の本田響矢が番宣のために出演したのだが、この「まりもっこり」特集の際、ちょくちょくワイプで抜かれていた芳根の表情がなんとも。いつもの笑顔が消え、どこか遠くを見るような目で、明らかに困惑しているようだった。
女優さんだもの、そりゃあリアクションにも困るだろうに、それをわざわざ映すスタッフの意図を感じ、局全体がいまだセクハラ体質を払拭できていないようにしか思えなかった。
そういえば先日、「あさイチ」(NHK)に鈴木亮平がゲスト出演した際、2024年からNetflixで配信されている映画「シティーハンター」の制作秘話を明かしていた。「もっこりダンス」のシーンについて触れると、原作の大ファンである鈴木が撮影時にとことんこだわったことを熱く語っていたのだが、実に俳優・鈴木亮平の素晴らしさを感じさせてくれるエピソードであった。
たかが「もっこり」、されど「もっこり」。下ネタ排斥のせいで消えたかと思っていた「まりもっこり」が今も北海道の片隅で観光客にもてはやされているとわかり、ホッとした。もっこりフォーエバー!
(堀江南/テレビソムリエ)