橋本環奈の主演ドラマ「天久鷹央の推理カルテ」(テレビ朝日系)の第1話が4月22日に放送されたが、世帯平均視聴率は6.3%(関東地区、以下同)と伸びず、NHK朝ドラ「おむすび」大失敗の汚名返上とはならなかった。
3月まで放送された「おむすび」のヒロインだった橋本。全話平均視聴率は13.1%と、それまでの朝ドラ視聴率最低記録だった2009年度後期「ウェルかめ」の13.5%を下回ってしまった。設定の無理やりさや脚本の雑さなどが原因とされているが、橋本の演技そのものや放送期間中に起きたパワハラ報道などが足を引っ張った。橋本にとって「黒歴史」となった。
「天久鷹央の推理カルテ」は小説家・知念実希人の医療ミステリー小説「天久鷹央」シリーズが原作。橋本演じる天久鷹央は、天医会総合病院の副院長兼統括診断部部長で、アスペルガー症候群、サヴァン症候群による超人的な記憶力、計算力、知能を持つ天才医師だ。診療困難とされる患者を診断するだけでなく、外部から持ち込まれる様々な事件の謎をも解いてしまう、という設定になっている。
作品はこれまで複数の漫画家によりコミカライズされ、アニメ版は今年1月期に放送されたばかり。原作ファンやアニメファンの評判は賛否両論といったところだ。ドラマウォッチャーが言う。
「橋本の瞬発力のある演技は、コメディエンヌとして秀逸。表情による演技は、ヴィジュアルの美しさもあって見入ってしまうのですが、その一方で『おむすび』の演技に辟易していた視聴者には嫌悪感を持たれかねないアクの強いキャラが、どちらに転ぶか。いずれにせよ、同枠のドラマとしては低空スタートとなった視聴率の推移は心配です」
そんな中、第1話に登場したゲスト陣がなんとも…。緊急搬送されたトラック運転手(塚地武雅)の妻が酒井若菜、そして2人の娘を演じたのは永瀬ゆずなである。
酒井は「おむすび」で米田結(橋本)の夫となる四ツ木翔也(佐野勇斗)の母親を演じた。つまり橋本と酒井は「嫁と姑」の関係だったのだ。
「3月まで2人の絡みを見てきた視聴者は、戸惑ったのでは。そして永瀬は現在の朝ドラ『あんぱん』で、ヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)の子供時代をついこの間まで演じています。その背後に今田を思い浮かべた人がいたのでは…」(ドラマウォッチャー)
朝ドラ終了後も、朝ドラヒロインとして様々に比較されてしまう橋本。演技力で視聴率アップとなるか。
(石見剣)