スポーツ

首を細かく振り始めフラフラで…JRA東西メイン重賞で人気馬を襲った「馬の熱中症」と「後遺症」

 4月19日(土曜日)のJRA東西メイン重賞は、人気馬がレース中に「熱中症を発症」する異常事態となった。

 阪神競馬場で行われたGⅢ・アンタレスステークス(ダート1800メートル)では、3番人気に推されたハギノアレグリアス(牡8)が熱中症により、まさかの惨敗。JRA公表のパトロールビデオを見ると、同馬は向こう正面で首を細かく左右に振り始めると、3コーナーでは手応えが怪しくなり、最後の直線は全くレースにならず。最後方の大差負け(12着)で、ゴール板通過後は今にも前に倒れ込みそうなフラフラ状態だった。

 原因は季節外れの急激な気温の上昇にあったとされているが、本サイトが4月18日に公開した記事で同馬を「激走馬」に指名していた筆者にとっても、痛恨のアクシデントとなってしまった。しかし、異常事態はこれで終わりとはならなかった。

 それから10分後の中山競馬場。JGⅠ・中山グランドジャンプ(芝4260メートル)でも、1番人気に推されたマイネルグロン(牡7)が最後の直線で2番手まで追い上げながら、同じく熱中症を発症し、ゴール直前で急失速。フラフラの状態ながら落馬だけは免れたものの、馬券圏外の5着に終わったのである。

 幸い両馬の熱中症は軽度とみられているが、人間と同じく競走馬の熱中症にも「後遺症」の懸念がある。軽度であったとしても「めまい」や「倦怠感」などが長く続くことがあり、両馬の今後の競走スケジュールに深刻な影響を及ぼしかねないのだ。

 さらに近年の地球温暖化による異常気象を考えれば、今後も季節外れの急激な気温上昇に見舞われる可能性がある。だとすれば、熱中症の再発という不安を抱える両馬のみならず、全ての競走馬にとっての新たな脅威になりかねないのだ。

 今後は6月までの中央場所においても、気温が上昇する時間帯のレースを朝夕に移行させるなど、夏のローカル競馬同様の措置が必要になってくるのではないか。

(日高次郎/競馬アナリスト)

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