さらに、人気美女アナともなれば、プライベートで、上重アナに勝るとも劣らないスポンサー企業との“親密な関係”を築いているケースもあるという。
「休日の過ごし方をある女子アナに聞いた時のことですが、プライベートジェット機でハワイに行って、コンドミニアムを貸し切って豪遊したそうです。相手はベンチャー企業の社長さんだったので、利益供与の可能性を問われれば、そうだと言えなくもないですね」(長谷川氏)
あまりズブズブになりすぎると、自身の身に火の粉が降りかかってくることもある。スポーツ紙のデスクが声を潜めて話す。
「経済番組を担当していたテレビ局の女子アナが、番組で知り合った経営者のパーティや合コンに頻繁に参加していました。そこで起業家や証券マンから未公開株の投資の話を持ちかけられ、だいぶ儲けていたんです。しかし、それが局内で知られるところとなり、インサイダー取引疑惑が噂されたのです」
それが原因で、表向きはフリー転向だが、退社の引き金になったとか‥‥。
広告塔として、企業の“顔”になる元女子アナも少なくない。05年には、元テレ朝の日下千帆(47)=フリー=が「FRIDAY」で、詐欺疑惑のある資産運用コンサルタント会社の“広告塔”だったと報じられた。クリスマスパーティの司会をして10万円のギャラをもらい、知人10人ほどに、その会社を通じての投資を持ちかけた。中には6000万円も投資させたケースもあったという。ベテラン芸能記者が言う。
「日下さんのケースはよくある話。局アナ時代に番組で企業の幹部と知り合ったことが縁で、フリーになってから会社の実体をよく知らずに、さほど労力を必要としない“怪しい仕事”を引き受けてギャラをもらう、というケースで、仕事というより利益供与に近い。元フジの中村江里子(46)=フリー=もかつて、巨額詐欺事件を起こした『法の華三法行』のイベントで、司会のアルバイトをして批判を浴びました」
テレビ局と芸能事務所の間にも、「利益供与の関係」が存在しているという。
「数年前に聞いたのは、『1割バック』といって、ある番組でタレントの年間出演契約が成立した時、契約料が1000万円なら、所属事務所から100万円が番組プロデューサーにキャッシュバックされるという話ですね。実際にあるかどうかはわかりませんが、話はたまに聞きました」(長谷川氏)
さらに局員とスポンサー企業との関係に目を広げれば、芸能事務所による接待でもこんな利益供与の実態がある。現役のキー局局員が証言する。
「私が、都内の会員制の高級カラオケ店に呼ばれて参加すると、その事務所に所属する有名なアイドルや女優も同席していた。歌やダンスを披露してくれてすごく盛り上がるのですが、テレビ局側から参加していた男性アナは人事権や番組のお金を握っていないので、程よいタイミングで帰されていました。プロデューサーには、ホテルと女性が用意されてましたけどね」
それにしても、上重アナの報道を機に、多少なりとも、こうしたテレビ業界の体質は変わるのか。長谷川氏は懐疑的だ。
「特定の会社から利益を得て、その会社に対する何らかの便宜を図るのはダメですが、これ(利益供与)を全部なくしたらテレビの世界は成り立ちません。広義の意味で言えば、スポーツ番組を担当する女子アナとプロ野球選手との交際だって、利益供与と言えなくもない。その選手の成績が落ちたら、女子アナがちゃんと原稿を読めるのか疑問です。コンプライアンス上では、上重アナより問題だと思います」
一男性アナのケースから発覚したスポンサー企業とのズブズブ問題だが、実は、美女アナの場合のほうが、はるかに闇が深いのかもしれない──。