トリンドル玲奈や篠田麻里子が出演し、その大コケっぷりで話題になった映画「リアル鬼ごっこ」が、スペインのマラガ・ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞を受賞した。同映画祭はSFやホラー作品を対象としたもので、日本作品の受賞は初めてだという。映画ライターが驚いた様子で語る。
「いくら日本とは価値観の違う海外とはいえ、最優秀作品賞を獲るデキとは思えないのでびっくりしました。園子温監督が『原作は読んでいない』と衝撃告白して炎上したり、識者から『走って、逃げて、ぶっ殺されるだけ』と指摘されるなど、興行成績だけでなく内容もプア。何が評価されたのか、正直なところ疑問ですね」
一方で、ヨーロッパにおけるジャパンカルチャー事情を知るライターは、スペインだからこその受賞という見方を教えてくれた。というのも、受賞の背景としてマンガの美学が映画に取り込まれている点があがっているからだというのだ。
「スペインでは日本のマンガが大人気なんです。そして『リアル鬼ごっこ』はマンガ的な表現をふんだんに盛り込んだ作品。日本人にとってはマンガチックな描写が鼻につきますが、スペイン人にとってはマンガの形式を取り入れた斬新なホラー映画に映っても、不思議はないのです」
そのスペインでは、13万人を集める「サロン・デル・マンガ」という巨大イベントが開催されているほか、地元のマラガでも「アニマコミック」というイベントが開催されている。そういったマンガ文化を支えるのが大学のマンガ同好会で、この映画祭はまさにマラガ大学の後援で開催されているのだ。
「つまり、本作の受賞は日本のマンガが高く評価されたもの。その意味では日本人として誇らしく感じてもいいと思いますが、出演者の演技が高評価だったかどうかはまた別の話でしょうね」(前出・映画ライター)
ちなみに同映画祭が贈るのは作品賞のみで、俳優個人に対する賞は用意されていない。もっともトリンドルや篠田には、“血だらけだったで賞”くらいがお似合いかもしれない。
(白根麻子)