日本代表の錦織圭がアンディ・マレーとの熱戦を繰り広げた、リオデジャネイロ五輪のテニス男子シングルス準決勝。その試合中に速報のテロップが流れ「日本人選手がまたもやメダル獲得か!?」と期待した視聴者の目に飛び込んできたのは、「人気アイドルグループ SMAP 12月31日で解散へ 事務所発表」という芸能ニュースだった。
これには真剣に試合を見ていた多くの視聴者が激怒。「速報で流すほどのことか?」との批判が渦巻いたのである。「間が悪い」とはこのことかというタイミングでのテロップ掲出に疑問の声があがるなか、この文章に隠された意味についてテレビ誌のライターが指摘する。
「NHKがわざわざ『12月31日で解散』と日付を明記したところに意味があります。すなわち、SMAP解散の花道が『紅白歌合戦』だと宣言したのも同然なのです。これが他局なら『年内で解散』と報じるはずで、その表現だとNHKにとっては意味がありません。どこよりも早く速報を打つことで、12月31日という日付を世間に印象付けたかったのでしょう」
国民的人気グループにとって、紅白歌合戦をラストステージにするのは最高の花道だろう。もっとも紅白を目標にしている他のアーティストにとっては、期せずしてSMAPの前座扱いされるのは不本意なことかもしれない。今年の大晦日にはまだまだ一波乱ありそうな気配だ。
(金田麻有)