11月25日、イギリスのカメラマン・映画監督のデビッド・ハミルトンが自宅で亡くなっているのが発見された。83歳だった。
ハミルトンは、70年代~80年代にかけて全世界で“美少女の禁断ショット”の一大ブームを作ったカメラマンとして名高い。
「独特のソフトフォーカスが生み出した柔らかい世界観と、スレンダーな外人少女の美しいカラダの組み合わせで、覚えている方も多いのではないでしょうか。その作品は、日本でもカレンダーやポスターに使われるなど、高い人気を誇りました」(写真評論家)
日本でも風吹ジュン、美保純、渡辺美奈代の写真集を撮影したことがあるので、そこで名前を覚えた人もいるのではないだろうか。
だが、そんな彼の仕事を改めて振り返ろうと考えても、現在の日本ではなかなかに難しい状況である。
「基本的に、彼の被写体は10代の少女ばかりなので、日本では法律に引っかかるケースも出てくる。実際、これまで出版されてきた写真集は軒並み品切れ状態で、今の状況を鑑みますと、これから再販される可能性は極めて薄いのではないでしょうか。監督を務めた映画『ビリティス』を始めとした映像作品も、日本では入手困難になっているようですし」(前出・写真評論家)
海外ではアートと認識されているハミルトンの作品は、被写体が少女のせいですっかりご法度扱いとなってしまっているようだ。かつて発売された写真集は存在するが、今やプレミア価格となって好事家同士で取引されている有様だ。こんな日本の状況を、ハミルトンは空の上からどのように見ているのだろうか。