木村拓哉が主演ドラマ「A LIFE~愛しき人~」への指摘に対し、色を成して反論する場面があった。3月10日放送の冠ラジオ番組「木村拓哉のWhat’s UP SMAP!」にて、木村は医療関係者による「麻酔科医が全然出てこない」という指摘を紹介。この疑問について、執刀医の左側に座っている医師の存在をあげ、「あの方が麻酔科医の先生」と強調したのである。
確かに麻酔科医のいない手術などほとんど有り得ず、木村の反論自体は真っ当なものだ。だが、今回の木村による発言がヤブ蛇になりかねないと、医療系ライターはいぶかる。
「この『A LIFE』では、現実の手術ではありえない場面も映し出されています。それは執刀医が麻酔科医らしき医師に向かって『昇圧剤!』と指示するところ。医療ドラマではおなじみのシーンに思われますが、実際には執刀医は手術そのものに集中し、患者の全身管理は麻酔科医の担当という分業制になっているのです。それゆえ昇圧剤の投与などは麻酔科医の責任で行われ、執刀医からの指示を待つようなことはありません。もし木村が手術シーンはリアルだと言いたいなら、こういった箇所にも気づくべきでしょう」
もちろん、本当の医者ではない木村が手術室の現実をすべて理解している必要はない。しかし今回のラジオ番組では指摘に対して、「いやいやいや、そんなことないですよ」と色を成し、「(麻酔科医は)ちゃんといますからね!」と強調。力を込めて全面否定していたのである。
このように木村が医療シーンのリアルさを言い張れば言い張るほど、現実との差異に違和感を覚える人も増えかねない。今回の発言が災いして、作中での麻酔科医がどう振る舞うのかに注目する視聴者も増えてしまいそうな勢いだ。
(白根麻子)