数多ある、芸人出演のラジオ番組。テレビ番組を作る業界人がふだん聞いているものを調べてみた。まず挙がったのは、ロバート・秋山竜次のFMラジオ番組だった。
「俺のメモ帳!on tuesday」(BAYFM78)は、秋山の考える「くだらなさ」が全開の30分。カラオケは機器から流れるメロディーに乗せて歌うものだが、人気コーナー「逆カラオケ」は、リスナーが録音した歌のアカペラに、秋山が楽器パート、つまりメロディーを口で歌って伴奏するという、常軌を逸したコーナーだ。
ほかには「生活音」を録音して投稿してもらったり、リスナーの性欲情報などが満載。「秋山情報センター」という、自分の情報を「玉木さん」という別人格となって自分で言うコーナーもある。オープニングの音楽が長すぎて、なかなか本編が始まらないのも特徴。
「秋山の主戦場はラジオ番組だったのではないか、というくらい自由奔放な解放区ですね」(ベテラン放送作家)
11月4日には千葉・八千代台で、単独での公開録音イベントが開催されるなど、確実にファンを増やしている。芸人とアイドルが絡むラジオ番組もある。FM FUJIの「沈黙の金曜日」は山梨のローカルラジオ番組だが、アルコ&ピースと乃木坂46・弓木奈於の掛け合いが絶妙。
コーナーは後半のゲストアーティストとのトーク以外は何もなく、フリーハンド。
「リスナーの投稿次第で3人のトークが飛躍的に広がっていくのですが、その2時間を聴き終わると、脳が揉みほぐされたような感覚に陥ります(笑)。平子祐希、酒井健太の展開力と弓木の瞬発力で、最後までどこへいくか分からない、予測不能な2時間ですね。芸人とアイドルのラジオ番組ではNo.1ではないでしょうか。ラスト10分の畳みかけだけでも、聴きごたえがあります」(在京キー局テレビマン)
このほかには、3歳からの幼なじみ同士のコンビによる番組が挙がった。
「マユリカによるラジオ関西制作のPodcastオリジナル番組『マユリカのうなげろりん!! 』です。ツッコミの中谷が、ボケの阪本に乗っかりつつ、振り回されていく時の高揚感が真骨頂です。そのやり取りがYouTubeチャンネルでアーカイブ化されているので、何度も楽しめます。例えば『得意のモノマネを見つけたい』という中谷が、阪本からいろいろなタレントの名前を振られては、ことごとくそのモノマネが微妙に下手な回。あるいは中谷が学園ドラマやSFなど即興で繰り出すひとり芝居に、阪本がダメ出ししていく回など、息の合った2人だけにしか作れない世界観を構築していますね。昨年の『M-1グランプリ2023』(テレビ朝日系)で4位になった際、2人を評するキャッチコピー『ずっとキモダチ』が話題となりました。まさに微笑ましく、お互いのことを知りすぎているからこその濃密な会話が魅力です」(テレビ制作会社スタッフ)
ラジオ番組でしか味わえない「内輪感」に浸れるのである。
(魚住新司)